花粉シミが車にできてしまった時の除去と対策 お湯などの熱処理で作業しよう

花粉汚れ

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今回は春の時期に必ずついてしまう花粉汚れの処置方法と対策を紹介する記事です。

 

2月後半から5月くらいまでですかね。毎年花粉が飛んでもなく降り注ぎ、車を汚くします。

そこで毎年洗車マニアの人たちは思うわけです。

 

花粉に有効なコーティングはないか?

花粉が簡単に落ちるケミカルはないか?

どうすれば花粉がつかないか?

 

ただ残念なことに2019年3月の段階では、有効な『コーティング』『ケミカル』は存在しません…

 

落とし方・対策はあるもののそれを活かすにはかなりの『時間』もしくは『お金』が必要になります。

正直、作業は毎年やりたくないって思うレベルで大変…

テールウォーカー
コーティング業界の人達はこの時期が一番キライだと思います。TWもそうです 笑

 

そもそも花粉ってまだわからない事も多いらしいので、現時点では有効な対策はありません。

なので今回は、花粉で現在分かっていること・花粉ジミの落とし方と対策を紹介します。

 

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テールウォーカー

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テールウォーカー
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車にとっての花粉汚れとは?

花粉とは?

花粉といえば、秋なども飛んでいますが、クルマにとってヤバイのは春の『スギ・ヒノキ』の花粉です。

花粉は粒子も大きく、粘着性が高いため非常にキズが入りやすい。

  • 花粉の粒子の大きさ 20〜40μ(0.02~0.04mm)
  • 塗装は100μ(0.1mm)

 

花粉は『ペクチン』というタンパク質が花粉内部にあって、それが濡れると花粉内部からペクチンが漏れてきてシミになり、塗装に付着して簡単に取れない状況に。

特にこの時期は雨が降らなくても結露してしまいボディが濡れてしまうので、花粉が乗ってしまった段階でデンジャラスな状態に強制的に持ちこまれます 笑

 

ちなみに花粉ごとにクセが違うので、スギ終わってきたな〜と思うと花粉の感じが変わってきてヒノキが来ます 笑

 

汚れの質としては非常に粘着性が高いので色々な汚れを寄せ付ける。

花粉がついている状態だと、スケール(雨ジミ・ウロコ)の付着も早くなったりして良いことなし…汚れを寄せ付けるブースト的な役割 笑

 

コーティングの撥水などはあっという間に劣化します。

むしろ施工したの?っていうレベルになることも

テールウォーカー
私自身、コーティング施工直後に大量の花粉に降られて台無しになったことあり^^;

 

TW(テールウォーカー)はコーティングにそこまでの性能はないと思っていますし、あくまで塗装の良さを引き出す『チューニング』でしかないと思ってます。

なので現在のところコーティングで花粉を防げるというのはないと思ってます。(塗装状態によって侵食されるレベルが違うので、どういう塗装かという方が大事)

 

花粉汚れは大きく2種類

車に乗った花粉

 

花粉の汚れは大きく2種類!

先ほども軽く説明しましたが、

  • 花粉自身 黄色いのが花粉
  • 花粉シミ  花粉内のタンパク質『ペクチン』が塗装内部に侵食したシミ(これがヤバい)

 

花粉シミに関しては後で説明しますが、基本的に花粉汚れは強烈な油汚れだと思ってもらった方がいいですね。

写真にあるのはまだ軽い方で、酷くなると普通に洗っても取れないレベルになることもあります。(塗装状態にも影響されます)

今までエゲツないのはフルパワーで拭いても花粉が取れないことがありました(もちろんユーザーのクルマにはそんなことしません^^;)

 

花粉のシミがやばい

花粉シミ

 

塗装がポツポツ荒れているのが分かるでしょうか?

これが花粉シミになります。

これがさっきから言っている花粉が濡れたことで『ペクチン』が花粉から抽出され塗装内部に侵食してしまった状態。

 

よく『ペクチン』が塗装内部に入り込むことで、塗装内部から引っ張られてこのようになると言われています。(もしくはペクチンに侵食されたところが沈んでいる)

実際に塗装をよく見ると凸凹になっており、ザラザラ…

テールウォーカー
完全に塗装が変形している感じです

 

このシミが非常に厄介で、車業界全ての人を悩ます原因です 笑

あんな方法、こんな方法で除去しようとしますが理想的な解決方法はなかなかありません…

 

花粉シミは塗装内部での変化の為、『酸性ケミカル』『アルカリ性ケミカル』を使っても改善されません。

汚れではなく塗装が物理的に変化している為、ケミカルを使っても効果がないということです。

テールウォーカー
TWも最初は色々やりました…笑

 

花粉が大量付着している時の洗車方法

大量の泡

濃い目のシャンプーを使って洗車する

花粉汚れ自体は『油汚れ』と認識して良いと思ってます(黄色い花粉自身)

なので濃い目のシャンプーで数回洗車してあげる。

もしくはシャンプーをつけた状態で、放置をする(乾かさない程度に)

 

あとは泡洗車で浸してしまうのもあり

 

アワアワ洗車

 

濃い目でシャンプーをした時は多めに濯いであげるのが大事!

ちなみに私はケルヒャーでアワアワにしてます^^

 

 

 

暖かいお湯を使って固着した花粉を除去する

お湯で洗うのが一番間違いないです。

食器を洗う時もそうなのですが、水で洗うよりもお湯を使った方が効果は高い。

車は美観の問題もあるのでお湯でよく洗い流すことで、花粉汚れを引きずりキズを入れるリスクを下げることが可能です。

 

ただお湯洗車のデメリットが数点あって

  • そもそも大量のお湯を用意が出来ない(大きな業者じゃないと難しい)
  • スケール(雨ジミ・ウロコ)が付着しやすくなるので、スケールを正しく除去できる知識が必要
  • 窓ガラスにウロコが付着しやすくなる

 

ディーラーにあるようなボイラー付きの高圧洗浄機とかはいいですよね^^

高圧洗浄機はいらないけどボイラーの機能だけ欲しい…業務用だと80度まで出せる製品が多いので羨ましい。

テールウォーカー
簡易給湯器で80度で出し続けられる製品があれば教えてください! 笑

 

花粉がシミになってしまった時の落とし方 ポイントは熱処理

花粉ヒートガンで炙り

花粉シミが消える温度

これは黄色い花粉ではなく塗装に侵食された『ペクチン』花粉シミの除去方法になります。

花粉シミを消す方法としては、『熱処理』がポイント。

塗装を温めてあげることで、塗装自体を動かし花粉を除去するようなイメージです。

 

どれぐらい温めてあげると花粉シミが除去できるかというと、60度〜くらいと言われています。

ただ厄介なのは100度を超えても消えない場合もありますし、塗装を溶かすまで温度を上げても除去できないこともあります^^;

花粉シミが塗装の深いところまで入っているかでも違いますし、塗装状態でも全然違います。

 

先ほど塗装を溶かすまで消えない場合もあると言いましたが、しばらく経ってから塗装を熱処理してあげると除去できる場合も(難しいですね^^;)

なので個人的な見解としては80度くらいで除去できないシミは、一旦諦めた方がいいです。

 

花粉シミは完璧に取ろうとするとリスクが大きくなるのでオススメしません。なんでもかんでも完璧に除去するということが大事だと思っていないんですよね(キズも同様)

実際問題、花粉シミをキレイに除去できないときは普通にあります。

それを除去しようとすると金額はかかるし、塗装に対して負荷をかける可能性もある。塗装は再生しないので塗装の劣化を早める結果に繋がるかもしれません。

 

塗装にとって絶対にキレイにしないといけないものなのか?

軽度の花粉シミは日中では確認できないレベルですし、夏には完全になかったように消えていることもあります。

例えば、塗装を乾かす『焼き付けブース』などを使うということであれば、リスクをかなり軽減できた状態で除去することも可能。

 

花粉を完璧にしようとすると熱処理で処理出来ない場合、研磨することになると思います。

そうするとかなりの研磨量が必要な場合になることも…(改善できるとは限らない、放置のままの方が良い可能性も)

 

勘違いしないで欲しいですが研磨がダメと言う訳ではなく、『塗装』『花粉特性』を理解しないまま完璧に除去すると言うのは技術ではなくエゴということです(もちろんユーザーがどうしたいかが一番大事)

TW的には『完璧に除去できることではなく、塗装にとって何がBESTなのかを伝える』のが一番大事だと思っています。

 

なんでもかんでも除去しようとする人、完璧に除去できるという人が多すぎるのでボヤいてみました^^;

テールウォーカー
異論は認めます 笑

 

それでは熱処理の方法を紹介していきます。

 

ヒートガンで除去する

おそらく最もメジャーな花粉除去をする方法。

ヒートガンはめちゃめちゃ熱いドライヤーだと思ってください。

これで炙ってあげて温度を上げるような感じで除去します。

 

 

少し分かりにくいかもしれませんが、蛍光灯周りがスッキリしているのが分かると思います。

写真でもBefore  Afterでどうぞ

 

花粉除去前 花粉除去後

 

かなりスッキリしているのが分かると思います^^

ただヒートガンは非常にお手軽な分、デメリットもエゲツないです。最大600度の温風を送るので、樹脂部品などは簡単に溶けます^^;

テールウォーカー
キワはあまり責めない方がいいです。『モール』とかすぐに溶けますからね…

 

非接触温度計などを使いながら塗装面の温度を確認しつつ、ヒートガンで炙るとリスクは減らせます。

花粉シミが除去できないからと言ってムリに追うと、だいたい悪いことが起きるので深追いは禁物!

 

あくまでプロ向けなので、慣れていない方にはオススメしません

 

 

熱湯で除去する

これが一番安全でおすすめの作業方法。

もうひたすら熱湯をかけるのみ 笑

 

ただ注意して欲しいのがマイクロファイバーなどを敷いて上にかけること。

本来長く熱湯を塗装に当てるためにクロスにお湯を含ませるのが目的です。

 

このやり方だと場合によっては花粉が再付着することを確認しています。

これはプロの方にも『ハッ?』て言われるかもしれませんが、熱湯をかけ続けていると花粉が浮いてきて流れるのが見えます。

そんな時にマイクロファイバークロスをずっと敷いたままにしておくと、マイクロファイバークロスに引っかかった状態で花粉がクロス内に残留します。

そのあと冷めた時にキレイに花粉が塗装内に戻ったことがあるのを経験したことがあります 笑

テールウォーカー
キレイにクロスの形になった花粉シミがいました 笑

 

なので適度に流してあげたり、軽く浮いてきた花粉を塗装面に残留させない工夫はした方が良いです^^

一番理想なのは業務用高圧洗浄機についているボイラーって最高80度くらいでるので、それで流し続けるのが確実♪

 

これも信じてくれない人が多いのですが、その状態でお湯をかけ続けていると花粉シミになっているところがアメーバ状に浮いてきて、黒いポツポツが流れているのが分かります 笑

本当に不思議^^;

TW的には熱湯が一番確実かつ安全です♪

テールウォーカー
ただお湯を使うことでウロコなどがつきやすいのが難点…

 

スチームで除去する

正直、効果薄いです。

てか個人的には一切使えません。

100Vクラスで高い製品も試しましたし、業者用のかなり高いやつも試しましたが花粉シミには全然ダメ…

 

なんか見た目は『プシュー!』って凄いんですけど、あれって全然触れる暑さのレベルなんですよね^^;

熱いとしても最初だけで、全然ダメです。

除去できるときもありますが、そのレベルはお湯をかければ簡単にキレイなると思います。

 

夏まで諦める

これが一番間違いないです 笑

こまめな洗車をすることで花粉がつかないようにして、重度の花粉シミを作らないようにしてあげる。

暖かくなってきたら自然と花粉シミはなくなっていきますので、春特有のものとして諦めるのも肝心。

テールウォーカー
塗装を触って熱いと思うレベルなら、春の暖かい日でなくなってしまうこともありますよ

 

研磨は最終手段!基本的に花粉シミを磨くのはNG

磨く

 

磨きは極力入れないでください。

そもそもプロの中では、花粉は研磨NGというのが前提にあります。

花粉シミをリカバリー出来なくなる可能性がある為です。

 

とは言ってもこの業界で絶対に花粉シミの上から磨いている人も多いと思うんです。

色々な車を見てきましたが夏頃に花粉のシミが残っている車両ってあまり見たことないんですよね。

テールウォーカー
意外と夏になってしまえば、ほとんどの花粉は消えてしまうんではないかと

 

ってことで実験してみました。

 

とりあえず花粉シミを熱処理せずに研磨

 

花粉シミ研磨

 

研磨後、スッキリした状態に

 

花粉シミ研磨後

 

再度、ヒートガンで炙ります。

 

ヒートガンで炙り

再度花粉出てくる

 

あれ花粉シミが元通りに…

しかも熱処理じゃ消えなくなってる

再度研磨

 

花粉シミ再度研磨

 

再度研磨してスッキリ

 

花粉再研磨

 

ちなみにこのあとヒートガンをしても花粉シミは戻りませんでした。

 

ここまでの結果で分かったことは

  • 熱処理しないで研磨すると塗装に熱が加わった時に、花粉シミ戻りがある
  • 花粉シミが熱戻りした場合は熱処理では消えない
  • しかし再度研磨するとキレイになり花粉戻りはしなかった
  • 熱処理して花粉が動いた後なら研磨しても問題ない可能性(あくまでも可能性。花粉シミのレベル・塗装の状態によって変わる可能性大)
  • 以前新車の研磨で、炙り・研磨を繰り返したことがあり徐々に良くなっているのは確認したことあり(新車の時はかなり気を使った方が良いかも)
  • いきなり研磨を入れても再度研磨し直す可能性あり

 

出来るだけ花粉シミがある時は磨かない方がいいですね。

研磨するにしても、熱処理をやってから研磨しないと意味ない可能性あり。

テールウォーカー
今回のテストパネルは、ヒートガンで花粉シミが戻った状態をキープしてあるので経過観察していきます

 

スケールがついていると花粉がつかない

スケール除去中

 

今まで花粉シミを感じたことがないという人も多いと思います(単純に見えてないだけの可能性高い。TWはそうでした 笑)

基本的に普通のユーザーってスケール汚れ(雨ジミ・ウロコ)を意識して除去するということはありません。なのでスケールがしっかりついている状態だと、花粉シミがつかないことがあります

 

というのもブログでちょいちょい出ているのですが、スケールって塗装より硬いんですよね。なのでペクチンが塗装に侵食されずにシミにならないという状態になることも(スケール付着レベルによって変わる)

成分的にはガラスに近いので、ある意味本当のガラスコーティングです 笑

 

テールウォーカー
スケールは良くも悪くも凄いです^^

 

新車時が特に花粉の影響を受けやすい

キレイな塗装面

 

特に新車時の花粉の影響は甚大…

塗装が生乾きで安定していないからこそ、通常より花粉シミが根深く侵食してしまいます。

新車は影響を受けやすいので仕方がないですね^^;

テールウォーカー
TW的には春に新車買えない…笑

 

塗装が安定していない新車時だからこそ落ちない汚れであったり不思議なことが起きますので、なんでもかんでも無理に除去することなく、様子を見ることも大事

本当に新車時はかなりデリケートな状態なので、間違った処置は出来るだけしたくないです。

意外と何もしないほうが良い結果になることもあったり、なかったり 笑

 

新車時は本当に難しいんです^^;

 

花粉をつけないための対策

カーポート

室内保管

ガレージ内が理想ですね♪

花粉汚れがあっても濡れなければなんとかなるのでガレージがあるだけで、花粉シミのリスクはかなり減らせます^^

 

とは言ってもなかなかガレージは厳しい…

カーポートがあるだけでも結露を防げたりしますので花粉シミに侵食されるリスクを減らすことが出来ます。

 

車のカバーを使うのも一つの手段ですね。

カバーでキズを入れるリスクや手間だったりすることもあるので、普段乗らない車とかには良いかもしれません。

テールウォーカー
なかなか難しいですが、現段階では室内保管が一番有効的な対策。ガレージ保管できるだけで『キレイの維持』はかなりイージーになりますね♪

 

こまめの洗車

一番現実的な花粉対策ですね。

早めの洗車を心がけることで花粉をボディに残さない。

花粉シミが出来たとしても大量の花粉が乗っていない状況であれば、花粉シミの程度も軽い状態であることの方が多い。

 

その状態であれば日中の日向ぼっこで自然と除去される可能性が高いです。

テールウォーカー
ただ一晩で恐ろしい程の花粉が降り注いだ場合は諦めるしかない…

 

どんなコーティングをしてもあまり意味ない

TWの実感だと、個人的にはどんなコーティングも高い効果はないというのが個人的な見解です。(今まで色んなコート剤を使ってきましたが花粉の前には無力)

それぐらい花粉の汚れはヤバい…

固着の軽減には繋がると思うので洗車するたびにトップコートを施工することで、何もしない状態よりはマシになると思っています。

 

ちなみにTWイチオシの天然ワックスですが検証中♪

先ほどの炙らないで研磨した状態のテストパネルに部分的にテストしてますので、良い結果が出てくれると嬉しいですが、花粉が大量に降り注いだ場合は大きな期待はしていません。

テールウォーカー
他のコーティングより良い結果が出てくれると嬉しいな程度ですね 笑

 

車に置ける花粉のまとめ

  • 花粉の汚れは花粉自身(黄色い)とシミになる『ペクチン』
  • 花粉シミには熱処理が有効
  • 花粉自身・花粉シミどちらもお湯を使うと除去しやすい
  • 花粉の汚れはクルマの汚れの中でも『かなりヤバイ』
  • どんな対策をしても一晩で恐ろしいぐらい花粉が降り注ぐと重度の花粉シミを防げないことも
  • 研磨するときは熱処理してから磨くこと
  • 花粉シミは完璧に除去しようとしない
  • どんなコーティングをしても花粉シミは防げない(やらないよりはマシ程度)
  • こまめな洗車が大事

 

花粉はまだ分からないことだらけですし、花粉シミに関しては夏にはキレイに消えてます。

原始的ではありますが、こまめな洗車が結果大事になるのかな?と思います。

 

自分で花粉除去をしようとしている人は是非参考にしてみてください^^

 

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