今回は洗車技術を上げるには塗装を知るのが大事という記事です。
洗車を極めるには何が大事でしょうか?
スポンジの動かし方?シャンプーの選択?洗車の環境?適材適所のツール選択?
どれも大事なんですが、洗車とはそもそもどう言うこと?
洗車とは車の外観を洗うこと、車にはプラスチック、ゴム素材、金属モールそしてメインのボディがあります。
ボディは金属ですが、その表面は塗装になりますよね。
洗車とはボディを擦って塗装の汚れを落とすこと、塗装を知らないとムダにキズを入れてしまいます。
ボディに触れる以上必ずキズが入ります。せっかくの新車、ピカピカに磨いた車を少しでも長く維持する為に適切な洗車方法が必要!塗装を知ることで最低限の洗車キズで防ぐことができる。
塗装を知ることで洗車・コーティング・車磨き全てに置いてプラスになります♪
そういうことで今回は塗装に関して紹介していきます。
塗装の厚みってどれぐらいあるの?
皆さんは塗装の厚みってどれぐらいあるか考えた事はありますか?
ほとんどの人はないですよね?私も洗車、車磨きに目覚めるまでモチロン考えたこともないです 笑
簡単にではありますが紹介させていただきます。
国産車、外車でも違いはあるのですが、ここでは基本的に国産車をベースに紹介していきます。
国産の新車では下塗り塗料、中塗り塗料(色のベース)、上塗りクリアーを3~5層塗り重ねて、この工程を重ねることで、出来る塗装の厚みは約100μ(0.1㎜)ほど
『μ』はミクロンと読みます。1μ=0.001㎜となっています。
ちなみにコーティングの厚みは1μ満たない、もしくは前後ぐらいと言われています。
色々なコーティング性能が謳われていますが、0.001mmの層に何ができると思いますか?
普通に考えて、5年効果を求めたりするのはムリがありますよね…
イメージがつきやすいように他の『厚み』をまとめてみました
人の髪の毛⇨100μm
コピー用紙⇨100μm
サランラップ⇨15μm
スギ花粉⇨30μm
黄砂⇨3μm
近年の塗装は環境問題などで、性能が高い油性の塗料から水性の塗料に変更され、自動車メーカーでもコストカット(例 塗装の焼き付けを短くする=塗装生乾きみたいな)により塗装の性能をしっかり引き出せずに工場から出荷されることが増えて来ています。
簡単に言うと、塗装の性能が落ちている上に、メーカーのコストカットで塗装性能を引き出せていない。
よりデリケートな塗装に変わってきている事をよく理解しないといけませんね。
ちなみに大手塗料会社の知り合いに聞いたところ
『〇〇にはうちから卸してるはずだけど、そんなに性能が低くなる事は考えにくいんだよな〜可能性としては基準の商品より安かろう悪かろうを特注で出しているか、コストカットの為、メーカーの使用方法が悪いかぐらいしか思いつかない』だそうです。
そもそも国産の自動車メーカーには同じような会社が塗料を卸している筈なので、それを考えると塗料メーカーというよりは各自動車メーカーのコストパフォーマンスのバランスの考え方次第という事ですね。
水性塗料ですが塗料メーカーの企業努力、最新技術により今では性能は申し分ないそうです。
あとは使う側の自動車メーカーの問題なので、もう少し品質を上げて欲しいですね。
塗装の硬さとは?
塗装の硬さですが、基本的に鉛筆の硬さぐらいしかないと言われています。
基本的には硬いほうがキズが入りにくいのですが間違った洗車をすれば一回でキズだらけになってしまうと思ったほうがいいですね。
間違っても使い古したゴワゴワのタオルやマイクロファイバークロスは使わない事!簡単に取り返しのつかない状態になります。
塗装の硬さイメージはこんな感じ
柔らかいバージョン
硬いバージョン
ものすごいざっくりです 笑
塗装の硬さのイメージは私としてはこんな感じ、粒子の密度が高いか低いか
密度が低いと、隙間が沢山ありますよね?そこに対してキズやシミが入っていくイメージ.
密度が高いと隙間が減る為、キズもシミも入りにくい
実際しっかりしている塗装では問題ないシミが、弱い塗装では1発でシミになる事もあります。
キズの入り具合をお菓子で例えてみます。
- 安くて美味しい庶民の味方、う○い棒は簡単に割ったり、潰せる、水につけるとすぐふやける⇨キズが入りやすい、シミがつきやすい、密度が低い
- 固いお菓子の代名詞せんべい。せんべいは割ろうと思ったら硬い、潰しづらい、水につけてもふやけにい⇨キズが入りにくい、シミがつきにくい、密度が高い
こんなイメージです。う○い棒は開封前からボロボロになりやすいですが、せんべいはボロボロになりにくいのでせんべいは綺麗な状態が保ちやすい。
なのでクルマも一緒です。塗装が強いやつほど綺麗を維持しやすく、塗装が弱い奴ほど綺麗を維持するのが難しいです。
あくまで『キレイの維持』をしやすいかどうかの基準なので、1番大事なのは適切なメンテナンスを行う事になります。
しっかりしている自動車メーカーはメルセデスベンツ、BMWが有名。弱いとされている塗装はホンダが有名ですね。
最近の国産の塗装は美観に対しては、かなりキレイになったと思います。
各メーカーで塗装の硬さは全然違いますし、なんなら同じメーカーで同じ色でも生産した時期で違うこともあります。
塗装は硬すぎても柔らかすぎてもダメです。適度な硬さで曲げにも対応できる適度な弾力が求められます。
激しく走っているクルマだとフレームが歪んでしまいますし、それに追従できる性能が求められる。
その絶妙な状態を引き出している自動車塗料は本当に凄い性能だと思います。
そんな素晴らしい塗装ですが0.1㎜しかない脆弱なモノでしかありません。
どんなに固かろうが物理的に摩擦が入る以上、必ずキズは入ります。
コーティングの塗り込み拭き取りでもキズは入る、その事を理解していることが大事!
塗装の性能とは?
ここまで塗装はデリケートだ、弱い、すぐにキズが入るなんて言いましたが塗装って超高性能なんですよ♪
元々、塗装は『耐薬品』『耐酸性』『耐油性』『耐候性』が優れていて、防汚性も高く、耐スクラッチ性も持たせています。
塗装の艶自体もキレイであれば申し分ない艶がありますよね。
塗装劣化の天敵、紫外線対策もバッチリでUVカット性能を持たした添加剤が含まれています。
クルマに付着する汚れを取るだけで艶を保てます♪
上記の内容を1μ前後(0.001㎜)しかないコーティングで『塗装を超えた』なんて誇大広告がありますが疑問です…
間違いなく言えるのはコーティングよりも塗装の方が遥かに高性能ということですね。
塗装の劣化の原因とは
塗装劣化の原因とは塗装表面の荒れ(キズや陥没)と紫外線による劣化です。
ちなみにキズと塗装内部にまでシミになっている画像が上記の写真になります。
キズと上にある点々がわかるでしょうか?こうなってれば艶も光沢もありませんよね?
対策としては適切な洗車、メンテナンスを行う必要があります。できるだけ洗車傷を入れない洗車方法とケミカルでないと取れない汚れの除去知識が必要。
そしてもう一つが紫外線による劣化です。
たまに街中で見かけると思うのですが赤いクルマのボンネットがピンクになっていたり、塗装から粉が吹いてて艶消し塗装になっているクルマを見たことありませんか?(その状態をチョーキングと言います)
これらの症状が多いのは、クリアを吹いておらずカラーベースで終わるパターンの塗装です。もしくはカラーベースにクリアを混ぜて吹き付ける方法ですね
下記にクリアーの有無がわかるイラストを♪
クリアーが吹いてある塗装は色あせにくいのでクリアーがいかに高性能化でわかりますね^^
なんでかはわかりませんがボディにはクリアーが入ってない車でも、バンパーには入ってます 笑
クリアーなしの車を磨くとその色がウエスやバフにつきます。
赤の車を磨くとバフが真っ赤に…笑
外に置いてある以上、太陽の紫外線からは逃れられません。対策としてはガレージの中に置いておくのと出来るだけ塗装に汚れを付着させないことが大事。
塗装は高性能だが非常に繊細 キレイを保つには結局メンテナンスが大事
ここまでで塗装を知ることができたでしょうか?
塗料会社の中でも自動車塗料は、かなり厳しくチェックするみたいです。そのおかげでハイスペックではありますが、美観を求めるとかなりデリケートであることが分かります。
その塗装の良さを最大限に活かすには塗装面がキレイな状態であることが必須!
そうなってくると『メンテナンス』が凄い大事になってきます。
ここでいうメンテナンスとは、塗装面のクリーニングですね。
塗装面に汚れがあることで塗装の発色は悪くなりますし、コーティングも汚れの上から施工しても効果を引き出せません。
むしろ汚れとコーティングが混ざることで、より強固な汚れにしてしまうこともあります。
特にクルマの美観を保つということはいかに『洗車傷を減らすか』『いかに汚れを蓄積させないか』『汚れが付着しても除去できるケミカル知識』を求められます。
少しでも今のキレイを長く保つ為には正しい知識と技術が必要です。
塗装状態によってはコーティングが合わないことがある
無溶剤の為、デリケートな塗装に対しても施工できますというガラスコーティングなどがありますがコーティングを施工しても良い結果にならないこともあるのを知っていますか?
以外かもしれませんが塗装状態によっては普通にキズだらけになりますし、良い結果にならないことも普通にあります。
この事を理解しないでコーティングを施工してしまうと、迷宮入りしてしまうことも 笑
この時に施工方法やコーティングを疑う人が多いのですが、そもそも塗装がコーティングに耐えきれないのなら普通ですよね。
その症状を理解していれば、その塗装に合わせたコーティングをチョイスすることも可能です。
そんな時におすすめなのが、天然ワックス。
天然ワックスは溶剤などを使わないので塗装状態を選びませんし、『艶』『防汚性』が非常に優れているので中々面白い結果になりますよ。
TW自身も以前はガラスコーティングなどをメインにしていましたが、今は天然ワックスで『キレイを維持』しています。
コーティングで上手くいかないな〜と思った時は是非、試して欲しい製品です♪
塗装を知ることに関するまとめ
洗車もコーティングも車磨きも全てにおいて同じやり方で最高の結果はでません。
塗装状態に合わせた施工方法をとることが凄い重要なので、色々な引き出しを増やす必要性がありますね。
塗装を知れば知るほど、勝手に引き出しは増えていくと思いますけどね^^
是非参考にしてみてください