ずっとクルマを洗車しない人がコーティングをしようとして、クルマをキレイにしようとして対処できない汚れがボディの下側にありませんか?
黒い粒々でシャンプーをしても落ちない
REBOOTでスケール除去をしても取れない
クリーナー系で擦っても、少し薄くなることはあってもキレイに除去できない
だからといってトラップ粘土で擦っても、完全には除去できない
そんな困る汚れが『ピッチ・タール』です。
ピッチ・タールはTW(テールウォーカー)が素人の時にはかなり悩まされました…
至近距離で見ると気になるものの離れて見るぶんには、あまり気にならない。
結論から言うと『シリコンオフ』で除去できます。
除去できるのですが、気にしてほしいポイントがあるので普段使いはオススメできません…
なので今回は
- そもそもピッチ・タールとは?
- 出来るだけ簡単にピッチ・タールを落とす方法
- メンテナンスする時の注意点は?
上記を紹介させて頂きます^^
ピッチ・タールはアスファルトの跳ね返り
走行中にピッチ・タールが付着する
ピッチ・タールはアスファルトの跳ね返りです。
なので舗装したばっかりで出来立てホヤホヤのアスファルト、夏の日差しで暑く焼けた道路等を走行するとよく付着します。
ピッチ・タールっていうか汚れ自体がカチカチなので感覚としては普通に『石』ですよね?
ピッチ・タールは走行する場所や車の使用環境によって多少の違いはありますがほとんどのクルマに付着しています。
洗車を全くしない人のクルマには大量に付着していますし、ついてから時間も経っていることが多いのでただでさえカチカチの汚れがもっとカチカチに…^^;
簡単に取れる時もありますが、結構時間かかることもあります。
ピッチ・タールの汚れは強烈な油汚れ
あんなカチカチからは想像がつかないと思いますが、『ピッチ・タール』は油汚れになります。
なので有効なのは油汚れに対するアプローチです。
ただ汚れ的には硬い汚れになりますので、油汚れに有効なシャンプーであったり、クリーナー系を使っても、ほぼ効果を感じれないことが多い。
クリーナー系で薄くなったとしても完璧に除去するのは難しい。
そこで有効なのが『溶剤』になっていきます。
ピッチ・タールの汚れにはシリコンオフ 使い方は?
シリコンオフの成分とは
基本的に有機溶剤となります。
有機溶剤って言われてもピンときませんよね?
簡単に言うと物を溶かす液体だと思ってもらって良いと思います。
なんでも溶かすと言う訳ではなく、油系を溶解する能力が高いので脱脂時に使われることが多いです。
なのでスケール汚れとかには効きません(スケールの汚れの質は油系の逆)
パーツクリーナーとかもクルマの部品についたオイルをキレイにするときに使いますよね?
イメージ的には一緒です。
溶かしてあげるようにタップリのシリコンオフを使う
溶剤脱脂で一番メジャーなのがシリコンオフです。
使い方としては
- 洗車をする
- 適切なケミカルを使いキレイにする(シリコンオフがダイレクトに染みるように)
- シリコンオフを使う
もちろん塗装状態では洗車後、シリコンオフで問題ありません^^
シリコンオフでピッチ・タールを落とす時のポイントですが
シリコンオフをクロスにビチョビチョになるまで染み込ませて擦っていく感じ
そうすると少しずつ溶けてくるので、ちょっとずつ除去していきます^^
もしくは有機溶剤用のスプレーがあるので、それでシリコンオフを吹きかけて少しずつ『ピッチ・タール』を溶かしていく人もいますね
シリコンオフで取れない汚れはクリーナーを併用して除去していく
上記の写真は『ピッチ・タール』が溶け始めているところ。
ただこれだけでは溶けていない所の汚れを除去できないのでクリーナー系を併用して除去していきます。
人によってはここまできた段階でコンパウンドで残りの汚れを一掃していく人もいますね
Before
after
ここまでケミカルのみで除去しています。
最後に鉄粉などが残っていないかチェックしてOKですね^^
ピッチ・タールの再付着を防ぐにはこまめな洗車とメンテナンスが必要
なんでもそうなのですが、結局は洗車とメンテナンスが大事になります。
特にピッチ・タールは汚れとしてはかなり強力なので除去が大変
対策として一番効果的なのは定期的にトップコートを施工することですね
少しでもボディに付着するのを防ぐのにトップコートを施工しているかしないかは大きく違いがいます。
コーティングが効いているかいないかは大事な要素。
シリコンオフの使用時の注意点
ゴム手袋必須
シリコンオフに限らずケミカルにはゴム手袋が必須です。
シリコンオフは脱脂作用があるので、あっという間に手がガサガサに…笑
せっかくクルマをキレイにしてるのに、自分の手がガサガサになるのは個人的には嫌です^^;
クルマをキレイにするのに、ケミカルは必須です。
特に肌が弱い人にとっては、ケミカルはすぐに手が荒れるのでゴム手袋はなくてはならないツール
TWがメインで使ってるのはこれ
これは手首の部分が他のグローブより長いので、水も入りにくく便利です。
製品としても他のグローブより耐久性も高いのでオススメ
ゴム部分やモール部分は白ボケするリスクあり
どうしても溶剤になると溶かす可能性があります。
その中でゴム部分やモール部分などの素地部分は影響を受けやすいです。
白ボケ程度で済めば良いのですが物によっては普通に溶けるので注意
塗装が白ボケする(キズ入る)コーティング前の脱脂はNG
コーティングをする前の脱脂は基本に思っている人が多い(間違いではないです)
コーティング前の脱脂にシリコンオフを使うのはNGというのが情報的には正確です。
コーティングに影響を与えるほどの油分は変な物を使わなければなりません。
水溶性コンパウンドを使っていれば油分はそんなに気にする必要もないですし、TW的にはシャンプー洗車で十分だと思っています。
シリコンオフは普通に塗装を溶かす時があります。
TWのテストパネルである202もシリコンオフを使うと溶けているのが確認できます(ただ写真だと映らない…)
目に見えて溶けてるなと分かる塗装状態もありますよ。そういう塗装はシリコンオフを使って擦っていると明らかに感触が重い状態に 笑
シャンプー洗車では磨き目みたいのが出なくても、シリコンオフでは明らかに出るときがあります。
確かに磨き目の確認にはなるのですが、そもそもシリコンオフによるダメージの方が大きくなってしまいがちなので研磨後にシリコンオフを使うことで再研磨が必要になってしまうこともあり。
ちょっとイメージ的に難しいと思うので下記を参考にして見てください
ちなみに脱脂が必要ない研磨にて仕上げたパネルがこちら
自分で言うのもなんですが申し分なく仕上がっています 笑(シャンプー洗車済み)
これをシリコンオフで脱脂していきます。
脱脂後離れて見てもそんなに差は感じません
アップにて確認するとこんな感じ
Before
after
光源の周りがチリチリしているのが分かるでしょうか?
これを磨き目といえば磨き目なんですが『シリコンオフ』などを使わなければ出てきません。
これ以上の研磨にこだわっても個人的には不毛と考えます(塗装状態で大きく変わる)
研磨後、コーティング前は溶剤脱脂が必要?それが常識?当たり前?
研磨ができないのに?
ケミカルを理解していないのに?
メーカーが言っているから?昔からそうだから?
個人的にはこの流れに疑問しか覚えません。(今はかなり改善されてきているそれでもまだ多い)
シリコンオフは流行りの鉄粉除去パッドをダメにしてしまう!?
今、よく売られている『鉄粉除去パッド』ですが、シリコンオフがパッド面に着くと普通に溶けます^^;
なので取り扱いには注意した方がいいですね。(基本的にこの製品は高額なので再購入のハードルが高い)
一回付着してしまうとベタベタになってしまい使いものにならなくなってしまうので、注意が必要。
鉄粉除去に関しての記事はこちら⇨コーティングやワックスを使う前に粘土を使った洗車でボディをツルツルに!使い方のポイント
コーティング前の溶剤脱脂についての苦言
色々と大手メーカーがコーティング前の脱脂が必要と謳っていますね。
ただそれは今までケミカルで塗装をキレイにできなくて、塗装をキレイにするときに一番簡単だったのが『シリコンオフ』だったと言うことがあります。
問題なのは塗装にキズが入るなどのデメリットを理解せずに思考停止状態でとりあえず脱脂と考えている人達が多い。
今でも酸性ケミカルを理解していないプロ・メーカーの人間が多すぎます。
そのレベルで『新製品』を作ったところでたかが知れてる。
イベントで大手メーカーと話をして、そのレベルか…
開発者とも話をしたことがありますがう〜んと言う感じでした。
ビジネスのスタンスとしては否定しませんし、言えないことがあるのも分かります。
TW的にはもうそう言うのやめませんか?って思います。
日本のコーティングメーカーがやっていることは『どこかの真似事』『メンテンスが出来ないコーティング』『明らかな誇大広告』
感じている人も多いですが、日本のコーティング事情はガラパゴス状態。
その遅れを取り戻し改善するには大手の力は必須と考えます。
凄い個人的なことではあるのですが、マニアが泣いて喜ぶ製品を作って欲しいですね♪
まずが売り方や製品の考え方に対して、見直しをしてくれると良い方向に向きそうです^^
ピッチ・タールを除去するときのまとめ
- パネル下に付着している黒い粒々はピッチ・タール
- ピッチ・タールはアスファルトの跳ね返り
- 除去するには『シリコンオフ』が効果的
- クロスにたっぷりのシリコンオフを染み込ませて除去すると効果的
- シリコンオフに反応しない汚れはクリーナー系のケミカルを併用する
- コンパウンドで汚れを落とすのもあり(できればケミカルで除去できない場合にした方が良い)
- シリコンオフの使うタイミングは研磨をするときが望ましい
- 付着対策には洗車とメンテナンスが大事
- シリコンオフは普段のメンテナンスに使わない
- デリケートな塗装ほどシリコンオフのダメージを受けやすい
- 鉄粉除去パッドとかはシリコンオフが付いてしまうと使い物にならなくなるので注意
基本的にピッチ・タールを除去するのは研磨をするときと考えて良いと思います。
ピッチ・タールも離れて見るぶんには、あまり気になりませんからね^^
除去するにはシリコンオフで塗装に対するキズが入りやすくなるリスクを理解すること。
付着防止にはこまめのメンテナンス、トップコートの施工が大事。
この辺さえ理解していれば、ピッチ・タールと上手く付き合っていけるのではないかと思います^^
ぜひ参考にしてみてください。
以上、テールウォーカー@tailwalker020でした。