今回はスクラッチシールドのディテイリングをしましたので、その紹介と特殊塗装であるスクラッチシールドについて紹介します。
洗車マニアのテールウォーカー@tailwalker020です。
スクラッチシールドってご存知ですか?
日産が最初に出した特殊塗装で自己修復機能があると言われている凄い?塗装です。
『些細なキズであれば熱が加わることでキズが消える』という凄い塗装なんですよって言うやつです。
ただ実際はそんなこともなく、ユーザーはスクラッチシールドの恩恵も感じられない塗装になっているようです。
『洗車傷は普通に入る』『磨きや塗装の難易度も高い』『再塗装するときに金額が高い』
今回はその『スクラッチシールド』をディテイリングすることになったので、自分が施工していて感じていることを紹介しますね^^
スクラッチシールドとは
スクラッチシールドは、日常での使用で生じる細かい擦りキズによる塗装表面の劣化を防義ぎ、新車時の塗装品質を長期間維持出来る全く新しい塗装です。
ちょっとした擦り傷なら、時間経過とともに傷が生じる前の状態までほぼ復元してくれる「スクラッチシールド」
特長
スクラッチシールドとは、ボディに軟質樹脂を配合したクリヤー塗装を施すことで、洗車によるすり傷、日常使用での引っかき傷程度なら、時間がたてば復元する世界初の塗装です。また、一般のクリヤー塗装と比較して、傷がつきにくくなったことにより水はじきも良く、ツヤ、光沢も持続します。
※周囲の温度状況、傷の深さなどにより復元する時間が変化します。
※硬貨で傷をつけられたなど、クリヤー塗装が剥がれるような深い傷や、クリヤー塗装自体が切断された場合は復元しません。従来の塗装と比較して、細かい擦りキズ等を1/5程度に低減することができます。
出典 日産HP
スクラッチシールドの一般的なメリット・デメリット
- 塗装面にキズ・水垢がつきにくい
- 自己修復機能によりキズが入ってもある程度は復元される?(そう感じている人はあまりいないと感じる)
- ある程度のスリキズなら復元する?(洗車機も大丈夫的なことは書いてあります)
- 水弾きが良いので水垢がつきにくい(そもそも水弾き=水垢の関係は絶対ではない)
- 補修にはスクラッチシールド用の塗料が必要
- 独自の補修技術が必要で磨きや・塗装のは技術が必要(ディーラーお抱えの板金工場には審査があるところもあるらしい)
- 塗料が高くなるのでユーザーにも負担が増える
塗装が自己修復される理由
上記の画像でイメージは湧くでしょうか?
イメージは弾力の高いゼリーだと思ってください
塗装に弾力を持たせることで、キズが入ろうとした瞬間に塗装が沈む(押される)ことでキズが入りにくくなる感じです。
逆に言えば研磨の難易度も上がります。
車磨きは目に見えないキズに置き換える行為。そのキズを入れるのが大変になるので仕上げるのが難しい感じになってきます。
ちなみにメーカーがスクラッチシールドを研磨するのに推奨しているのは3Mのウルトラフィーナシリーズのようです。
ウルトラフィーナシリーズには『バフ』『初期研磨コンパウンド』『仕上げ用コンパウンド』がありますので興味がある方は試してみると良いですね^^
今回はエクストレイルをディテイリング
最初はこんな感じでした…
新車から5年目だそうですが、塗装の曇り方が酷い
特にユーザーは何か特別なことをしているわけでは無いらしいのですが、何かされていると思ってしまうぐらいの状態。
エクストレイルの下地処理
最初はスノーフォームにて専用シャンプーにてアワアワにして細部の洗浄を進めていきます。
TW(テールウォーカー)はこの時には塗装面の洗車はしません。
泡の粘性を利用して汚れが下に落ちていくのを確認して、細部の洗浄が終わったら泡を一回流してから再度洗車します。
本来そのまま洗車するのがベターですが、実際にやってみると理解できると思います。
そして洗車後、鉄粉除去やスケール除去をしていきます。
今回のスケール(雨ジミ・ウロコ)の反応量はえげつなかった…
REBOOTで除去をいつもどおりしていきますがスケールの反応量が多すぎて、今回はREBOOT−PROを使用でスピーディーに除去していきます。
塗り込み後
速攻で反応します^^;
他にも
真っ白になっています 笑
普段の洗車が井戸水らしいのでスケールは付着しやすい傾向にあるとは思うのですが、スケール汚れが取れている感じはあるのですが反応をしつづけています。
ってなると考えられるのは〇〇なのかな?
塗装面の曇り方といい、違和感があるような感じ
今までの経験上恐らく〇〇であろうと言う予測がつきます。
細部もしっかり洗浄していきます。
アミアミ部分だけやってメッキ部分をまだやってませんが、もちろんキレイにしています^^
素地部分もキレイに^^
研磨して塗装をの美しさを引き出す
研磨をする前に膜厚計にて、塗装の膜厚を測ります。
それと同時に光沢計にて塗装の光沢レベルをチェック。
それを測ったら部分的にテスト研磨。
研磨後の膜厚と光沢はこんな感じ
膜厚はあくまで参考レベルにはなりますが大体2μぐらい減っている感じですね(2μは0.002㎜)
塗装の誤差の範囲内程度には治っている感じ
この塗装の平均は85μぐらいだったけど上は90μ
下は69μと言うのもあり、だいぶバラついている印象。
ってことで研磨していきます。
ユーザーがカウルトップの白ボケが気になっていたようなので、こちらも白ボケ解消
ガラスもウロコがひどく、除去しましたが写真撮り忘れました…
ってことでガラスも研磨しています。
コートしてあげて完成
簡単にですが
Before
after
天然ワックスにて塗装面に潤いアップで美しい塗装面を表現出来ていると思います^^
深いキズ、陥没痕は除去出来ませんでしたが外で見る分には気にならないレベル。
スクラッチシールドを研磨してみて感じたこと
研磨した感覚
この塗装に関しては仕上がって見えやすい塗装なので、仕上げレベルはどうなの?
って思う人もいるかもしれませんが、ポイントさえ掴めばそんなには難しくない印象。
ただ深めのキズは除去しにくいかな〜部分的に追っても従来の塗装と比べるとキズが抜けにくい傾向はあり。
再塗装をするときはスクラッチシールド専用クリアーをする必要はない
今回、改めて『スクラッチシールド』を触ってみて思ったのは、従来のクリアーと比べて優れているの?ってことでした。
TW的には正直、従来のクリアーの方が良いと感じています。
キズが入りにくく、シミもつきにくくしているスクラッチシールドですが、はっきり言って普通にキズもシミもつきます。
結局はそれらをリカバリーする必要性がある塗装です(普通に考えて当たり前)
スクラッチシールドなどは通常よりも手間、塗料代がかかる傾向がありユーザーの負担も増える傾向にあると感じました。
結局は誰が得するのってなった時にメーカーしか良くないのかなって率直に思います。
なのでもし自分が再塗装するなら、普通のクリアーを塗ってもらうかな。
一般ユーザーで違いは分からないと思います。
美観の問題に関しては材料ではなく、塗る人の技量で大きく変わるので気にする必要もありません。
特殊なカラーなら金額が上がってしまうのは理解できますが、結果がよくない塗装に対してお金をかけるのはちょっと…
結局は特殊塗装は利益を乗せるための手段なのかなと感じています。
スクラッチシールドのまとめ
- キズが入りにくく、キズを消すのが大変な塗装
- キズ・シミがつきにくくなっている塗装ではあるが、普通にキズ・シミはつきます
- 従来より、手間・材料費がかかる為、ユーザーの負担も増える傾向
- 深いキズの除去は難しいかも
- 再塗装するなら従来のクリアーで十分(TW主観)
スクラッチシールドに過度な期待はしない方が良いと思いますよ^^
TWは選べるなら迷わず従来のクリアーを選ぶところ
今回ユーザーに無事納車できましたが、喜んでもらえて良かったです^^
本当に納車の時が一番緊張しますし、ユーザーが期待している想像以上にできるようこれからも日々精進ですね♪
以上、テールウォーカー@tailwalker020でした