今回は天然ワックスについての基本的な紹介をしていこうと思います。
今まで皆さまはどのコーティングをメインにしてきましたか?
ワックス? ポリマーコーティング? ガラスコーティング?
ちなみにTW(テールウォーカー )は今までガラスコーティングをメインで使用してきました。ガラスコーティングも色々種類があって、その中で好みの汚れづらいガラスコーティングを使用。
弱い塗装にも使える無溶剤コーティングと呼ばれるものでも、施工面で納得いかない結果になったり、キレイを長く維持する中で、色々とハードルがあることに気がつきました。
弱い塗装に対しては樹脂系コートをした後にトップコートを施工するパターンもあるのですが塗装にとってはGOODな結果でも耐久性がなくて、ユーザーの満足感が少ない。
結果的にガラスコーティングの方が耐久性を体感しやすいのと、スケール除去(雨ジミ、ウロコ)により撥水が復活するので『コーティングが効いている』とユーザーの満足感が非常に高いです。
良い塗装ばかりコーティングしていれば良い結果になることも多いが、弱い塗装に施工するときには自分が納得いかない結果になる。
それで何か良い方法がないかなーと思ったときに出会ったのが『天然ワックス』でした。
そんな天然ワックスの魅力やコーティングの基本を紹介していきますね^^
こちらも一緒に読んでいただけると理解が深まると思います^^
天然ワックスとは
天然ワックスとは名前の通り、天然成分で構成されているワックスになります。上記の写真は『天然ワックス』『高級ワックス』で世界的にメジャーなザイモールというメーカーになります。
ザイモールなどの天然ワックスはSHOW CARやコンクールの時に塗装の艶を最大限に引き出すことを目的として使用されたりします。付加価値で防汚性が非常に高いスペックを持っていたりする優れ物^^
日本でいう従来のWAXはいわゆる『石油溶剤系』を示す事が普通であり、単純にツヤをだす事が主な目的です。
有機溶剤により、塗装ダメージや酸化によるWAXの劣化などは防ぎようがありません。
また水に溶けやすい性質なので簡単に流れ落ちてしまいます。
このような石油溶剤系のワックスとガラスコーティングを比べること自体、意味がありません。
このように簡単に落ちてしまう石油溶剤系のワックスとガラスコーティングを比べても、明らかに結果はガラスコーティングに軍配が上がってしまいます。
これでは比較しても意味がありませんよね?
天然ワックスは天然成分100%でカルナバの配合が多い
おなじワックスでも天然成分100%の高級天然ワックスは同じ種類でも製品としてのクオリティが段違いです。
他メーカーのカルナバ配合ワックスでは、1~5%のカルナバロウ(低品質)の含有量に対し、天然ワックスは高級カルナバロウを30~70%を占めています。主成分である『カルナバロウ』の含有量が飛びぬけているんです。
カルナバは艶出し成分なので配合量が多いほど、一般的には艶が増えると言われています。カルナバは多いからと言って艶が出るとは限らない。カルナバが多いと施工性が悪くなったり、ナチュラルな艶感になる傾向があります。
カルナバは沢山入れれば良いという訳ではないんですよね。
カルナバロウは元々固く、多く配合すると施工性に支障が出てしまい、コート剤として不具合が出てしまいます。
カルナバを使いやすいように、多くの材料を上手く配合して、使いやすいように工夫しています。
なので『カルナバ100%』のままでは使い物になりなません。
その時にカルナバに混ぜるものが天然成分のみのワックスが『天然ワックス』
カルナバに混ぜる物が石油系溶剤なのが石油系溶剤ワックスになります。
石油系溶剤等を含まないので、無溶剤コーティングを使えない弱い塗装に対し、良い結果を生み出してくれます。(もちろん良い塗装にもGOODです♪)
ザイモールのワックスは入手しやすいからおすすめ♪
ガラスコーティングにも負けない保護性能
ワックスの弱点であった高耐久を実現、簡易的なボディコーティングなど足元にも及びません。
コーティングの優位性を示す為に謳われてきた『ワックスとは違い雨染み、ウォータースポットが着きにくい』という謳い文句は天然ワックスにはあてはまらないんです^^
TW(テールウォーカー )の主観になりますが、『ガラスコーティング』『ガラス系コーティング』は基本的にどちらもガラスに近い成分が入っており、無機系に分類されるため、スケール(雨ジミ、ウロコ)を結果的に寄せ付けてしまうのです。
しかし天然成分で作られている天然ワックスは、スケールの付着量がかなり少ない状態であるのを確認しています。
ガラスコーティングをしていて、週に数回雨が降るとスケールが付着して撥水の阻害やスケールによる塗装の発色が悪くなったのを確認できます。(あくまでマニア視点での話です 笑)
しかし天然ワックスだとスケールが付着しにくいせいか、雨が降っても艶はほとんど変わりませんし、洗車をしていて、スケールが引っかかるような感じも見当たりません。
スケール汚れの記事に関してはこちらを参考にしてください
天然ワックスが普段のメンテナンスで除去されないのが確認できれば、『ガラスコーティング』か『ワックス』どちらが優れているという選択肢自体の意味がない事が分かります。
どちらにもメリット、デメリットがあるので『ガラスコーティング』『ワックス』どちらを使うかは、ユーザーの好みで選んだ方が良いと思います。一概にどちらが良いかは決めつけていいものではありません。
天然ワックスのメリットは艶と防汚性の高さ
天然ワックスの大きなメリットとして言えるのはやはり『艶』ですね♪
上記の写真のように、ワックスはガラスコーティングに出せない艶を引き出してくれます(石油系、天然どちらも)
この艶が長持ちしてくれるのが、天然ワックス!『濡れている』様な艶感がたまりません^^
石油系ワックスは割と簡単に除去されてしまいます^^;
従来の石油溶剤系ワックスだと早期に酸化して、油汚れを寄せ付けたり、ワックス自体が大きな汚れとなってケミカルでは除去できないようになってしまうこともあります。
天然ワックスはスケールの付着もつきにくいので維持しやすい。
カルナバを乾燥させるとサラサラで固い状態に固まります。そうすると石油系ワックスの様に酸化するような素材ではないが、ガラスコーティングみたく無機系の化学物質でもない素材です。
一般的には『ワックス』『樹脂コート(ポリマー)』は有機系で油系のコート剤。ガラスコーティングは無機系のコート剤に分類されます。
この中で天然ワックスは有機系よりで中性のようなコート剤のイメージ。
天然ワックスの撥水
天然ワックスは撥水も特には強くないですが、汚れづらいのは大きなメリットです。
ザイモールの初期撥水は結構弾いてます。施工後しばらく時間が経つと疎水or親水的な撥水になります(ワックスの種類による)
普段の維持で面白いと感じるのが、汚れていてもキレイに見える現象がおきることですね(スケール付着が全然ないおかげ?)
ある意味洗車をサボっても良い結果が続くような感じはします^^
紫外線を軽減してくれる
そして個人的な最大のメリットは紫外線をカットしてくれる効果もあると言うこと。カルナバ自身も紫外線をカットしてくれるのですが、天然ワックスにはココナッツオイルなど『日焼け止め』に使うような素材を使っているので紫外線をカットしてくれるというのも個人的には納得できます。
コストパフォーマンスが良い
高級ワックスといえば『ZYMOL(ザイモール)』『SWISSVAX(スイスバックス)』が有名です。
価格的には『1万円〜』と金額的には高いのですが、1回買えば、天然ワックスは家族全員のクルマを施工しても2年以上使えると思うので、コストパフォーマンスは非常に高いです♪
天然ワックスのデメリット 耐久性がない 施工性の悪さ
メリットばかりあるように感じる天然ワックスではありますが、デメリットもあります。(TW的にはデメリットとして感じませんが…)
天然成分であるが故に長期的な耐久性はない(ガラスコーティングは溶剤自身が強く残ろうします。更に塗装に強く密着しているので耐久性は高い)
有機系コート剤で耐久性がないがための、保護剤表面の劣化による撥水性能の低下(天然ワックスは元々そんなに撥水しない)
一般ユーザーのDIY施工は天然ワックスのクセがあるため難しいかも(ポイントを抑えればイージーです^^)
撥水が弱まると、一般ユーザーからすれば撥水してるかわからない(艶と汚れづらさはキープしている)
そもそも高耐久なガラスコーティングでさえ『スケール』付着によるメンテナンス作業は絶対に必要ですし
初期施工時の『効果の体感』はかなり早いうちに衰えを見せます。(メンテナンスをすれば再度体感できるとは思います)
メンテナンスをしない人にとっては天然ワックスの方が効果を感じる期間が長いようにも感じます。
撥水能力の低下は他のコーティング剤同様、屋外使用のクルマでは間違いなく発生しますので、ワックスに限った問題ではありません。
さらに一般ユーザーのキレイに維持するという面では、ガラスコーティングの方が難易度が高いように感じます。
天然ワックスと石油溶剤系ワックスの見分け方
まず天然ワックスと石油溶剤系ワックスの違いは『天然成分』か『灯油』っていうシンプルな違いでしかありません。
石油溶剤ってよく聞くと思いますが、ワックスに関しては基本的に『灯油』を使用してると考えていただいて大丈夫です。
灯油を塗っているからあんなにベタベタすると思うと、そりゃワックスした車は汚れるに決まってるじゃん!って思いませんか?
高級カルナバ配合と言っている商品もありますが、入ってる量は5%ぐらいとかっていう話です。
天然ワックス、石油溶剤系ワックスを簡単に見分ける方法ですが、基本的に成分を見れば石油溶剤系と記載してありますので、それは間違いなく石油系溶剤ワックスになります。
それ以外の判断でいうと、『金属容器』か『プラスチック容器』で判断は可能。石油系溶剤は腐食性があるため、プラスチックの容器では溶けてしまうので金属の容器を使っています。金属容器=石油溶剤系ワックスになります。
天然ワックスはそもそも石油溶剤が含まれないので、プラスチック容器になっています。ザイモールなんかプラスチック容器。
カーショップでワックスを見ると一目で判断がつくようになりますね^^
高級ワックスの判断は容器で判断すると間違いないです 笑
ただビンのタイプも中にはあるのですが、恐らくワックスの接触面はプラスチックなどが使われていると思います。(それ以外を見たことないです)
石油溶剤系ワックスとガラスコーティングの特性
石油溶剤系ワックスの特性
石油溶剤系ワックスとは上記にあったように、ほぼ灯油です。
油なので艶はもちろん出ますが、腐食性があるものを塗装に塗り込む。TWは石油溶剤系ワックス自体を大きな汚れとして認識しているので、施工=汚くするイメージ。
灯油がこぼれたところに砂が付着してベタベタになっているのを見たことありませんか?あれと同じことが塗装上でおきます。
この状態が『ワックスをすると汚れを巻き込む』っていう現象ですね^^;
- 価格が安く、入手しやすい
- 艶が出る
- 汚れを巻き込んで早く汚れる方向性
- 塗装に対して悪影響の場合が多い
ガラスコーティングの特性
色々種類があって9Hを謳うセラミックコーティングだったり、キズを修復してくれる自己修復してくれるコーティングみたいなものがあったりします^^;
ガラスコーティングは耐久性は高いと思いますし、溶剤を使っているので色々な変化を幅広くもたらすことができる。好みの撥水にしたり、防汚性をあげてみたり、艶が出るように調整して見たり、作る側の方で好みのガラスコーティングを作ることができる。
ちなみに無溶剤と呼ばれるものでも溶剤は入っていて、ただある一定以下の溶剤使用量になると無用剤と謳っていいということになっています。
ボディにに強く密着するので、スケール除去をするだけで撥水が施工後なみに撥水することもあります。結果ユーザーとしても満足感が高くなる傾向がある。
しかし無機系のコーティングでもあるので、どうしてもスケール汚れを寄せつけてしまいます。なので酸性ケミカルを使ったメンテナンスが必須になります。(もちろん天然ワックスでも必須ですが、付着する量が全然違います)
- 溶剤が入っているため様々な付加価値をつけることができる。種類のコーティングを選ぶことができる
- コーティングの耐久性が高い
- ボディに強く密着する
- 無機系の為、スケール汚れを寄せつけてしまう
ガラスコーティングは強い撥水や耐久性を求めたい時におすすめです♪
天然ワックスとガラスコーティングを使い分ける
問答無用で石油溶剤系ワックスを使用しなくなると思うので、コーティングの選択肢として『樹脂系コート(ポリマー)』『天然ワックス』『ガラスコーティング』の選択肢になると思います。
樹脂系コートは天然ワックスとジャンル的に一緒なのですが、全体的にワックスの方が性能が良いと思っているので、実際に使い分けるとしたら『天然ワックス』『ガラスコーティング』になりますね^^
ガラス系コーティング < ガラスコーティングであるように
樹脂系コート(ポリマー)< 天然ワックスだと思っているので、天然ワックスは樹脂系の中では王様だと思っています。
艶 | 天然ワックス > ガラスコーティング |
---|---|
防汚性 | 天然ワックス > ガラスコーティング |
施工性 | 天然ワックス > ガラスコーティング |
撥水の強さ | 天然ワックス <ガラスコーティング |
耐久性 | 天然ワックス < ガラスコーティング |
基本的には、こんなイメージ。使うコート剤が違うと結果も変わるからあくまで目安です♪
天然ワックスをおすすめしたい場合
- 艶重視
- 洗車回数を減らしたい人(スケール付着が少ない為)
- クルマの塗装に対して、優しい素材を使いたい人(出来るだけ塗装に影響を与えるものを使いたくない)
- ガラスコーティングと比べると再施工は容易(ガラスコーティングだと種類によっては不具合があることもある)
- デメリットはガラスコーティングに比べると耐久性がない、撥水はあんまり楽しめない、ガラスコーティングよりも再施工のスパンが短い
ガラスコーティングをおすすめしたい場合
- 撥水を好みの状態で使いたい(強撥水は天然ワックスでは再現できない。または続かない)
- コーティングに耐久性を求めたい
- 効果は置いといて色々な謳い文句のあるコーティングを使用できる
- デメリットはスケールの付着が多く、天然ワックスと比べてメンテナンスのスパンが短い。スケールがつきやすいので艶引きや撥水が早期に低下する(酸性ケミカルを使うことでスケールが除去できて、どちらも解消される)
『好みに合わせて』が結局最高だと思いますよ 笑
天然ワックスの気をつけて欲しいこと
天然ワックスを使う上で勘違いしないで欲しいことは、天然ワックスの撥水は最初だけで最初は割と弾いているがすぐに撥水しなくなる
種類によっては疎水ぐらいで水弾きをしているが、中には殆ど撥水していないような状態になることも多い。
しかし汚れづらさは継続している事が多い。
撥水しなくなったから効いてないと判断する人が多すぎる…
確かに天然ワックスが撥水しなくなってくると知識がある人じゃないと被膜が残っているか分からないとは思う。一般目線で考えたら効いていないと考えてしまうかも…
判断基準としてはスケール除去などした後に、シャワーを当てて疎水的な水の弾き方をしていたら、ワックスが塗装面に残留していると判断していいと思います。
とりあえず撥水しなくなった=コーティング効いてないの判断基準はやめて欲しい
他には各メーカーで、ワックス皮膜をメンテナンスするカルナバ入りのトップコートもありますので、普段の洗車の仕上げ時に吹きかけてあげるのもありだと思います。
高グレード製品 カルナバ入り
スタンダードな製品 お徳用的な感じ
天然ワックスでも、耐久性がガラスコーティングに優っているものもあるし、ガラスコーティングでも天然ワックスより艶があるものもあります。
誤解のないように記載しておきますが、耐久性のないガラスコーティングより耐久性のあるワックスの方が耐久性が高いということ。
艶があまり出ないワックスよりも艶重視のガラスコーティングの方が艶が出るということなので、お互いの得意ジャンルで勝負したら基本的には特化してる方が、良い結果が出ると思います。
ワックスが良いのか?ガラスコーティングが良いのか?どちらかを使用するか決めて、商品個性で、使い分けるような感じ。
TWはオーガニック派なので塗装に優しい天然ワックスで、好みのチューニングをしているというだけです♪
天然ワックスのまとめ
- 天然ワックスはワックスでしか出せない艶が長持ちする
- スケールの付着が少ないため汚れにくい塗装状態を作ることができます
- 塗装に対し、かなり優しい素材なのでダメージを入れることがありません
- 天然ワックスは、従来のワックスと比べる耐久性が高い。ワックスだけでも理想のボディ保護を可能にします(ガラスコーティングに劣ることなくキレイを維持できます)
- 初期施工後は撥水するが、余剰成分がなくなると撥水はそんなにしない(効果はある)
- メンテナンススプレーがあるので、それでワックス皮膜のメンテナンスが可能
- 半年〜1年に1回はワックスの補充or再施工するとよい感じをキープできます
- 価格が高いが、1回買えば家族のクルマを施工しても2年は持つと思います。以外にコストパフォーマンスが高い
- ガラスコーティングで満足できない人や、塗装の艶を追求したい人には天然ワックスが向いていると思います。
天然ワックスが気になった人はザイモールのワックスが手に入れやすいので、使って見てくださいね^^