今回はヘッドライトの研磨時にアルコールやコンパウンドを使うとどうなるか?という記事です。
こんにちは洗車マニアのテールウォーカー@tailwalker020です。
ネットで『ヘッドライト 黄ばみ』なんて検索すると
- 『アルコール』でヘッドライトがキレイになる
- 『コンパウンド』は使うと劣化促進して逆にダメになる・キズだらけになる
- 『CRC(潤滑油)』を使うのがベスト
- 『トイレのマジックリン』を使う 笑
ユーチューブなどで見ていても基本的に上記の方法が確立されていて、ためになる動画というよりはエンターテイメント要素が多くて楽しく拝見しております^^
ヘッドライトって何をしても劣化が早かったりしますよね?
それって普通のことなんです。
一回劣化が酷い状況まで進行してしまうとリカバリーが大変になったり、どうしても再劣化するのが早い傾向にあります。
施工方法によっては劣化を遅らせることもできますが基本的には完全に元通りといかないのが現状ではないでしょうか?
だけど通常とは違う独特な方法でキレイにすることで劣化、キレイになったようなプラシーボ効果(思い込み)を生み出す人が続出しています。
化学的に考えて〇〇なんだよね〜みたいなこと言ってる人を見ると??????????という気分に… 笑
よく分からない抽象的なことを言って結果が出てなかったり、矛盾していたりするのをよく見かけますね^^
今回は
- ヘッドライト自体の説明
- ヘッドライトの劣化する理由
- ヘッドライトのクリーニング方法
ちなみにTWはコンパウンドorクリーナー系を推奨しています。
ヘッドライトと素材の説明
ヘッドライトの素材はポリカーボネート
昔のヘッドライトはガラス製でそもそも黄ばむことはありませんでしたし、多少汚れてきても比較的キレイにするのも簡単でした。
ただガラス製だと複雑な形状にできなかったり重量的にも重かったりするので、燃費などを考えると素材を見直されるのは必然。
そこで注目を浴びたのが樹脂製のポリカーボネート
ポリカーボネートとは
透明性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性・寸安定性などにおいて、高い物性を示す。耐衝撃性は一般的なガラスの250倍以上といわれる。
エンジニアリングプラスチックの中でも平均して高い物性を示す樹脂であり、かつ透明性をもつために光学用途にも使用でき、その物性に比べて安価であり、航空機・自動車など輸送機器、電気・電子光学・医療機器、防弾ガラスの材料などに広く用いられている。機械的強度も優れているので力のかかるプラスチックねじで最も多く使われている材料である。
薬品耐久性はあまりよいとは言えない。特にアルカリ剤、溶剤では劣化する。接着剤などの使用ができない。エステル結合を持つため、高温高湿度の環境下では加水分解する。
引張強度を超える力をかけると、白化して透明度が著しく低下する。
表面の硬度は高くなく、鉛筆の硬度でHB程度。硬いブラシなどで掃除をすると、間違いなく傷が付き、透明性が低下する。この弱点を解決した加工をほどこした製品もある。
出典 Wikipedia
- ガラスと比べると耐衝撃性が高く、飛散しにくく安全性が高い
- 樹脂の中でも高性能
- ケミカル、溶剤の耐久性は弱い
- 物理的に力がかかると白くなる
- 高温、高湿では劣化するのが早い
ヘッドライトの表面にはコーティングがしてある
上記の説明であるようにアルカリ性に弱かったり、溶剤に弱かったり、高温、高湿に弱いと言われています。
クルマの使用環境は非常に過酷な状態で使われているので、これらに対応できないのは致命的。
日本ならではの高温高湿な夏、強烈な汚れなどに対応するために工夫しているのが『ハードコート』と呼ばれるコーティングがヘッドライトに施工されています。
コーティングと言ってもいわゆるガラスコーティングなどの薄い膜厚のようなものではなく、塗装のクリアーみたいに膜厚が厚いものが採用されています(逆に言えば膜厚が薄いものでだと劣化を防ぐには役不足ということ)
最近の車のヘッドライトは黄ばまない
お気付きの方もいらっしゃいますが最近のヘッドライトはメーカーの努力もあり、最近はほとんど黄ばまないんですよね。
今から10年前ぐらいのクルマはまだまだ黄ばむ傾向はありましたけど、年々進化していき軽く研磨すれば黄ばみはほとんど気にならないレベルではないしょうか?
なので以前ほど気にならなくなった人も多いと思います。
最近は黄ばみよりもハードコートが劣化してくることで、ハードコートの剥がれや、ヘッドライト自体のクラックが除去するためにリペアするような感じ^^
ヘッドライトの劣化が激しいと車検が通らないことも
当然、ヘッドライトが劣化してくることでヘッドライト自体の光量自体が落ちていき、普段の運転の安全性も変わりますし、車検に通らないこともあります。
なので車検を通すためにヘッドライトをキレイにするメニューがディーラーやガソリンスタンドで施工するお店も増えてきましたよね^^
はっきり言ってDIYレベルと大差ありません。
しかも価格が意外とするので自分でDIYした方がいいんではないか?というレベルです。
ヘッドライトの黄ばみ等の最大の劣化要因
劣化の最大の要因は紫外線
紫外線がヘッドライト劣化の大きな要因というのは有名ですが、そもそも紫外線でなんで劣化するの?そもそも紫外線ってなに?てなりませんか?
調べて分かったことを分からないなりに噛み砕いて話すと紫外線は
- 太陽光線の種類の一つで電磁波的な感じ
- 紫外線は硬化を促進させる光線
- 紫外線によって化学反応が起きて、物自体に『柔軟性がなくなり』『脆くなる(固くなる)『劣化現象』を起こす
- 例は『変色』『白ボケ『ひび割れ』
- 具体的な劣化現象としては『ひび割れしたタイヤ』『白く劣化してひびが入っている輪ゴム』
- 硬化するということは『粘りがなくなる』『脆くなる』熱膨張、物理的な変化などをした時の伸縮に対応できなくなる
- さらに噛み砕くと水分があって潤っていたような状態からパサパサの状態にしていくことが紫外線が引き起こす劣化の状態
汚れの付着放置と洗車傷
紫外線以外の大きな要因はこれですよね。
紫外線は硬化していき劣化するイメージと言いましたが、汚れに関しては表面から侵されていきレンズ面の劣化を早めます。
塗装面と比べると割と雑に扱っても美観はそこまで変わりませんが、劣化が進むと塗装よりもリカバリーが大変なことも
そしてやっぱり『洗車傷』ですよね。
ヘッドライト自体が透明でなおかつキズが付きにくいようになっているので、通常の洗車レベルではあまり気にならないと思います(劣化している場合はキズが入りやすい)
ただ極端にキズが沢山入れば当然白ボケするので、洗車時には『変なツール』を使わないということが大切
ヘッドライトクリーニングの方法
キレイにする方法は『削る』『溶かす』の2つ
上記の写真が今回クリーニングするヘッドライトです。
軽く黄ばんでいるものの劣化がそこまで激しいわけではありません。
これぐらいだったらなにをやっても割と良い結果が出る傾向があると思います。
基本的に汚れを除去する方法としては
『削る』…コンパウンドやペーパーで削ってキレイにする。簡易クリーニングの場合はコンパウンドのみでクリーニング
『溶かす』…溶剤の力を使って溶かしながらキレイにしていく
劣化しているヘッドライトの表面を除去することでキレイにします。
理屈的には劣化している層を削っているか、溶かしているかの違いでしかないのでどっちが優れているとかはありません。(簡易的なクリーニングの場合)
ヘッドライトクリーニング アルコール・CRCの場合
アルコール、CRCはどちらも溶かしてキレイにしていくタイプなので今回はアルコールで紹介していきます。
手順としてはシンプルで
- クロスなどにアルコールをつけて塗り込む
- 拭き取る
アルコールは物によっては結構溶かすので相性が悪いと今回見たく普通に溶けます(劣化している状態だから起きる症状ではありますが)
CRCも理屈的には一緒で溶解力の差プラスαの違いでしかありません。
どちらを使う?って聞かれたらCRC使いますけど 笑
ただこの状態でヘッドライトが溶けて白ボケしている状態で終了というわけにはいかないので、コンパウンドなどで溶けた部分をキレイに均してあげることが大切。
ヘッドライトクリーニング コンパウンド、クリーナーの場合
こちらも作業は簡単
- クロスなどに適量取り付け
- ひたすら擦る
- 拭き取る
今回使ったのは『HDクレンズ』
写真と比べると、あんまり最初との違いは分かりにくいですが、直に見ると結構キレイに。
Before Afterでどうぞ
今回のレビューは『HDクレンズ』でクリーナー効果・研磨効果(コンパウンド成分なし)・コーティングまで出来るので割と便利^^
コンパウンドでやる場合は極端に荒いのを使わなければそんなに気にならないと思います。
逆にコンパウンドで手磨きして、キズで白ボケするってよっぽど酷いやり方をしないとならないという認識。
不安な方は超微粒子のコンパウンド(使うメーカーの仕上げ用)を使えば基本的に問題ありません。
不安な方はクリーナ系のケミカル『HDクレンズ』『チェリーグレーズ』みたいな製品でもキレイになるので使ってみて♪
もしコンパウンドを使う場合はポリッシャーを使うことでよりキレイに出来ます^^
機械の力を使えば当然キレイに♪
手磨きで納得いかない人はポリッシャーを使うことで満足できるかも
ヘッドライトクリーニング ペーパーがけする場合
上記の写真はカー量販店などにあるヘッドライトクリーニング後のビフォーアフターです。
ぶっちゃけあまりキレイになってないレベル。
この場合は再劣化(すぐ黄ばむ)するのも時間の問題なんです。
実際にDIYでコンパウンドレベルで研磨したところですぐ黄ばむことを経験した人があると思います。
何故だか分かりますか?
ヘッドライトでも劣化が激しい部分は先ほど紹介したコンパウンドや溶剤で溶けて除去できるのですが、軽く劣化している部分はコンパウンドや溶剤では太刀打ち出来ないんです。
そうなってくると必要なのが『ペーパー』で削り落とすという工程が必要になってきます。
ペーパーを当てるという作業はヘッドライトの劣化しているコーティング『ハードコート』を落とすのがメインですが、場合によってはハードコートを除去した後もしっかり研磨しないと再劣化が早くなることもありますよ。
ペーパーの番手を1000番〜3000番で細かい番手にキズを置き換えてコンパウンドで研磨して仕上げることで良い感じになるのですが
基本的にDIYでペーパーを使って作業するのはオススメしません。
基本的に難易度が高いし、逆に酷い状態にしてしまうリスクも多いです。
ペーパーを使った研磨に関しては今度紹介しますね^^
プロに頼むのとDIYでやる境目は?
プロに頼むか頼まないかの境目は『ペーパーを当てるか当てないか』という認識でも良いと思います。
ペーパーがけはある程度、研磨を理解していないと失敗する可能性が高い。
ここでいう失敗とは磨き目がどうのこうのと言う話ではなく、ヘッドライト研磨時に塗装の方も削ってしまう、誰が見ても失敗でしょという状況になる可能性があるということです。
ぶっちゃけペーパーの磨き目はシビアに見ないでというプロの方も多いのではないでしょうか?
ある程度研磨を理解していればパッと見で問題ないくらいに施工するのは難しい話ではありません。
ただDIYだとそこまで理解するのは難しいのではないでしょうか?
なのでDIYでやる基準の一つとしてポリッシャーに慣れているか慣れていないかで決めても良いかも。
プロに施工をお願いすると大体10000〜40000円くらいかな
自分で『ポリッシャー』『コンパウンド』『ペーパー』などを揃えたらそれ以上しますからね。
数千円でキットを買って試してみることは出来ますが、恐らく満足出来ない仕上がりになる可能性も高いと思います。
ヘッドライトをキレイにしたらコーティング
ぶっちゃけ何でも良いと思っている派です 笑
ボディに使っているコーティングで一緒でも良いと思いますし
ヘッドライト用コーティング剤でも良いと思います。
ただTW的にはヘッドライトに〇〇コーティングをして良かったと思うことは基本的にありません^^;
塗装面もそうですが基本的に〇〇コーティングをするよりも下地をキレイにすることの方がよっぽど高い効果を感じれます。
なのでそこは好みに応じて使ってみると良いですよ♪
TWは天然ワックス推しなのでそのまま塗っています。
結局はメンテナンスが大事
下地をしっかりキレイにする
好みのコーティングで施工する
ここまではOKですね?
黄ばみを遅らせるのは結局メンテナンスが凄い大事になっていきます。
一番良いのはガレージ保管やカバーをしておくのが一番良いのですが、ほとんどのユーザーがそんな環境にありません^^;
そうなってくると基本的にメンテナンスをこまめにやるのが非常に大事になってきます。
一回劣化している以上、新品と比べれば再劣化が早いのは仕方ない。
ただ汚れを放置することで劣化の促進が進むのは避けたいところ…
ヘッドライトクリーニングのまとめ
- ヘッドライトはポリカーボネートが使われている
- 以前は黄ばみやすかったが、最近のポリカーボネートは黄ばまない
- クリーニング方法は『削る』or『溶かす』
- アルコールなどは溶けるので白ボケする傾向にある
- 溶かす場合は最終的に研磨が必要
- なら最初から『コンパウンド』or『クリーナー系』で十分
- ペーパーを当てるのはDIYではオススメしない
- ヘッドライトコーティングは専用に拘る必要なし。好みのコート剤を使おう
- 一回劣化している以上、再劣化は早い傾向
- 再劣化を遅らすには結局メンテナンスが重要
ヘッドライトは基本的に溶かすではなく『削る』で施工した方が楽です^^
今回のを参考にしてヘッドライトをキリリと変身させてカッコよくしましょう♪
以上、テールウォーカー@tailwalker020でした。