今回はクルマのキズ消しに必須なコンパウンドの紹介記事になります。
コンパウンドといえば、DIYの醍醐味であるポリッシャーで使ったり
人によっては、手磨きで磨く人もいます。
でもコンパウンドって何を使ったらいいか分かりませんよね?
自分も車磨きを始めた時は、研磨粒子の荒さってなに?みたいな感じで分かりませんでした 笑
なので今回はDIYでチャレンジする人向けに、基本的なコンパウンド知識とコンパウンドのチョイスの仕方を紹介。
そして最近国産車の塗装が非常にデリケートになり、仕上げることが難しい。その関係もあって最近コンパウンドを見直す人が増えてきています。
そこで最近、TW(テールウォーカー)が思うコンパウンドの現状と、どうなっていくかを考察していこうと思います。
コンパウンドの概要
コンパウンドとは
コンパウンドとはクルマの塗装を磨くための研磨剤になります。
複合物、化合物の意味合いがあります。
研磨粒子を薬液と混合させてコンパウンドとして使用できる状態にしています。
磨くところはクリアー面
上記のような感じでクリアーが塗装の表面になっているので、基本的にはキズは塗装の表面についています。
なのでクリアーを磨くことで塗装の美しさを復元することが可能です。
中にはベースカラーを磨いていると勘違いしている人もいるので注意
クリアーなしの場合はベースカラーを研磨しますが基本的にはクリアーを磨くものと思ってもらって大丈夫です。
コンパウンドの粒子サイズ 種類
粒子のサイズは粗目、中目、細目、極細目、超微粒子などの粒子があります。
粗目から順に弱くなる感じですね。
板金では『中目』『細目』あたりを使うと聞いたことはありますが、洗車傷を研磨する場合は『極細目』『超微粒子』あたりがメインになってくると思います。
細目のコンパウンド ダブルアクションでの研磨
磨きキズがありすぎてもはや黒からグレーになってます^^;
傷抜きは早いかもしれませんが場合によってはこの研磨痕を除去する方が大変になる場合も…(細目は基本使わない方がいいです)
超微粒子のコンパウンド ダブルアクションでの研磨
ライトの周りにうっすらキズが入っているのが分かるでしょうか?
いわゆるこの状態がダブル研磨での白ボケと呼ばれるものです(ダブル研磨の特徴)
超微粒子でも各メーカーで研磨レベルはかなり違いますので好みのコンパウンド探しは必要かもしれません。
今の業界のメインは自己粉砕型コンパウンドで『極細目』から研磨する過程で『超微粒子』に細かくなっていき、傷消し研磨から仕上げ研磨まで可能なコンパウンド。
TWも自己粉砕型コンパウンドを使用しています。
このタイプはなれるとかなり使いやすい♪
ペーストと液体状のコンパウンドがある
かなりネットリとした『ペースト状』『液体』のコンパウンドがあります。
ほとんどが液体コンパウンドです。
液体コンパウンドは名前の通り液体なので、研磨時にコンパウンドをつけすぎると飛散してしまうことがあるので注意。
慣れないうちは少量のコンパウンドで磨くのが良い^^
水性と油性の二種類
昔ながらの油性コンパウンド
最近では、ほぼ使われていませんが非常に油分が多くいつまでたっても塗装面がスッキリしないコンパウンドです。
最近ではノンワックス・ノンシリコンのコンパウンドでも最近は油性コンパウンドに含まれるのかな
ある程度、磨き傷を隠蔽してしまう傾向があります。
プロがメインで使用している水性コンパウンド
ノンワックス・ノンシリコンのさらに油分を減らした状態を水性コンパウンドと思ってもらって大丈夫です。
油分がかなり少ないため、研磨傷の隠蔽をほとんどしません。磨き目がしっかり見えて確実な研磨を可能にしています。
研磨を水性コンパウンドで研磨フィニッシュすることで、脱脂の必要がありません。
特徴としては上記の写真の通り粉だらけになります^^;
油分がある程度あると大きめの研磨カスになって排出されるのですが、水性コンパウンドが切れてくると油分がないので細かい研磨カスが一気に排出され粉だらけに…
余計な油分がないことで、しっかり磨き目を確認しながら研磨できるのが最大のメリット。
現状で販売されている水性コンパウンドは、油性コンパウンドと比べると非常にバランスの良い製品が多いですね^^
DIY時にオススメするコンパウンドの選び方
DIYでも水性のコンパウンドで良いと思うのですが、価格が高め…
しかもよく分からないとなるなら、とりあえず油性の超微粒子(仕上げ用コンパウンド)を使うのが1番良いかもしれません。
プロ・マニア視点から見ると納得いかない仕上がりになりがちですが、DIYにチャレンジするならそこから始めると良いかもしれません。
超微粒子コンパウンドをベースにバフで研磨力を変えてあげる感じですね。
この方法であれば磨き傷が見にくい塗装なら仕上がった風にはなるかと 笑
コンパウンドによるポリッシングで落ちる傷と落ちない傷
上記のこういう洗車傷などは普通に除去できることが多いです。(照明を当てて見えるキズ)
車磨きとは基本的にこういうキズを抜くのが目的ですからね^^
キズが深く、中々除去できない場合もありますが大体は磨いてキレイにすることが可能。
上記の写真はディープスクラッチ(深いキズ マスキング下)
しかし爪が引っかかるキズは基本的に厳しいです…
塗装は0.1mmぐらいしかないので、爪が引っかかると除去できる可能性は低いです。
塗装状態や研磨方法次第では除去できることはありますが、基本的には厳しい。
ケミカルで落ちない汚れはコンパウンドで落とす
研磨する前には基本的にケミカルで除去するのですが、塗装表面に乗っていないのは除去できません。
上記の写真のように塗装がシミになってしまったり、くすんでしまっていると研磨で除去するしかありません。
研磨後
このような感じでキレイにすることが可能なので、クルマをキレイにするのに研磨は大事な要素であるのが理解できます^^
研磨をする前にしっかりと洗車を行い下地処理を行う
シャンプー洗車
洗車の基本でシャンプー洗車ですね^^
基本的に大量の水とシャンプーで洗車を行います。
のちの洗車工程でもほぼ除去出来るとは思いますが、砂汚れが残っていると研磨時に深いキズを入れる可能性があるので注意。
鉄粉などの異物除去
車磨き時に鉄粉などの鉄粉があると、そこにコンパウンドが引っ掛かってしまったり、ポリッシャーを使っているとコンパウンド焼き付きのリスク
研磨時の鉄粉巻き込みによるキズ、磨いている時に異物と一緒に塗装が剥がれるリスクがあるので非常に大事な工程になります。
異物除去ついて詳しくはコーティングやワックスを使う前に粘土を使った洗車でボディをツルツルに!使い方のポイントをご覧ください
スケール除去(雨ジミ・ウロコ)
スケール除去(ウロコ・雨ジミ)は研磨前に必須な作業です!
理由として
- 塗装を磨くのに少しでも汚れは少ない方がいい
- スケールは塗装より硬いので研磨に時間がかかる
- 汚れがあることにより研磨効率ダウン
- 汚れを研磨しているか、塗装を研磨しているか分からなくなる
ケミカルで汚れを除去しなくても研磨はできますが、非常に効率は悪く、研磨のクオリティーも下がりがち…
油分の汚れ除去(クリーナー系ケミカル使用)
クリーナー系は酸性ケミカルで落ちない汚れや、コーティングをある程度除去したい時に使います。
塗り込んで拭き上げるだけ^^
研磨前にシリコンオフで溶剤で落ちる汚れを除去
シリコンオフは研磨前に溶剤脱脂をおこなうことで、溶剤じゃないと落ちない汚れ・油分を少しでも除去します。
研磨前の仕上げ的な立ち位置です。
ピッチタール(アスファルトのカス)はトラップ粘土とかでは除去するのが難しいこともあるので、シリコンオフでの溶剤脱脂が一番簡単に除去できます。
コーティングの施工前や普段のメンテナンスでの使用はオススメしません
塗装・コーティングを痛める可能性が高いので注意してください
DIY研磨では超微粒子のコンパウンドのみで十分
ポリッシャーを使う場合
研磨する前にはいきなり全部磨くとリカバリーが大変になることがあります。
そこで作業前にやることが『マッチング』といって『コンパウンド』『バフ』『ポリッシャー』を色々調整しながら部分的に研磨してどの組み合わせが良いか試してから研磨に入ります。
とは言ってもここまでやるのには『正しい知識』『経験』『道具』が必要になってくるのでDIYでは中々難しい…
なのでコンパウンドは基本的に超微粒子(仕上げ用)を使用します。
というかDIYでは超微粒子以外は使わない方が良いです。
先ほども少し触れたのですが、バフを変えることで研磨力を変えるイメージで使いましょう。
バフは基本的にウレタンバフ(仕上げ用バフ)から研磨してそれで満足できればフィニッシュ
満足行かなければ、バフの研磨力が高いものに変えて研磨してくのがオススメ
磨き目は基本的に浅いものほど消しやすいので、何かあってもリカバリーできるように研磨をすることが大事
手磨きの場合
TWは基本的に『アプリケーター』と呼ばれるワックス塗り込みに使うスポンジを手磨きで使用。
規則正しい動きで縦縦横横みたいな感じで磨きます
ただ手磨きでの研磨とかはあまりオススメしていません…
手磨きだとどうしてもムラが出てしまいます。
淡色車なら磨き傷のムラが分からないので良いのですが、濃色車は磨きムラが見えてしまうのであまりオススメしていません。
それでもキレイにしたいならザイモールのHDクレンズがオススメ!
HDクレンズはクリーナーなのですがキズもある程度は消えますし、艶が高いので手磨きのムラもある程度隠蔽してくるのは大きなメリット^^
HDクレンズはワックスを塗りこむような感じで塗り込んでOK
DIYで施工しない方が良い車
新車もしくはキズが目立たない車
新車は基本的に触らない方が無難
私のブログで毎回言っているのですが、新車は非常にデリケートで難易度が高いです…
変に触るとせっかくの新車を台無しにしてしまうので、DIYでは基本的に触らない方がいいかな
キズが目立たないクルマも注意が必要ですね^^;
DIYをして磨きキズをつけることで美観的に悪化させてしまうことも…
基本的に塗装のキズが目立たないなら研磨はオススメしない派です 笑
それならケミカルでキレイにしておしまいの方がいいかな^^
少しでもなんとかしたいなら先ほど紹介したHDクレンズを施工してあげるのがオススメ!艶でかなり隠蔽してくれます♪
黒の車(特にソリッド)
黒系の車はよほど塗装が劣悪な状況でない以上、手をださない方がいいですね。
やるなら完璧は求めない方がいいですよ〜
初めてDIYのレベルであれば、磨き目よりもキレイになった艶で満足するとは思いますけどね^^
ただ色々見えてきちゃうと、苦労します…笑
初めて黒を磨く時はある程度割り切って磨くことが大事になります^^;
車を磨いたら、コーティングで保護しよう!オススメは天然ワックス
せっかくクルマを磨いてキレイにしたのなら、コーティングは好みで良いと思いますがTWは天然ワックスを推奨しています♪
天然ワックスはポイントを押さえると施工も用意ですし、高い防汚性と艶は別格^^
最近の車に対するコンパウンドの考察
外国車は基本的に問題ない
もちろんメーカーにもよりますが、外国車に関しては気持ちよく磨けます。
外国車は塗装がしっかりしている傾向があるので、キズが抜けにくいですが仕上げるのは難しくありません。
なので、今使われている水性コンパウンドで研磨する分には、非常に簡単かつスピーディーに磨けます。
国産車と比べるとびっくりするぐらい違いますよ^^
国産車に水性コンパウンドが合わなくなってきている?
問題なのは国産の塗装。
以前の塗装は油性塗料を使っており、塗装もしっかりしていました。
研磨するときも気持ちよく磨けてます^^
ただ環境問題の影響で水性塗料を使うようになってからは年々、シビアな塗装状態になっているというのが現状。
どうしても油性と水性を比べた時に油性の方が塗料としては性能が高い。
メーカーもコストカットの為、焼き付けの時間を減らしたり色々行われている影響からクセの強い塗装になっています(研磨しにくい)
美観は以前と比べるとかなりクオリティーが上がってます^^
特に仕上げ工程での研磨ではかなり難易度が上がっているので、苦戦しているプロも多い。
最近の塗装はプロが主流で使っている水性コンパウンドが非常に絡みやすくスッキリしないこともあり、上手くフィニッシュできないことで結果的に研磨傷を隠してしまう状態であると理解しています。
だからと言って油性コンパウンドを使って良い結果が出るかと言ったら現状では出てないんですけどね^^;(現状販売されてるコンパウンドの中では水性コンパウンドが優秀)
主観ではありますが、水性コンパウンドの出来るだけ油分を減らし研磨傷を隠蔽しないというスタイルの限界にきているのかなと。(最近の国産車に対して)
各メーカーが色々テスト中
そんな声を受けてか、各メーカーが色々試行錯誤中。
ただ現状では、確実な研磨を可能にできるコンパウンドはないようにですね…
人によって仕上がりの基準はマチマチなんで難しいところ…
しっかり隠蔽されないようにフィニッシュする人もいれば、最後に磨き傷を隠蔽してOKと考えている人も多いです。
結局は色々なコンパウンドの特性を理解しないといけない
現状では各プロの人達も、ベースになるコンパウンドは間違いなく存在していると思いますし、汎用性も広いと思います。
ただ最近の塗装は色々なコンパウンドの使い分けが必要。
道具としてよりも引き出しとしてコンパウンドを理解しておくことが重要になってくるかな〜
それがあるかないかで大きく研磨スタイルも変わると思います。
コンパウンドについてのまとめ
- コンパウンドは薬液に研磨粒子を混ぜたもの
- 水性と油性があり、プロはほぼ水性を使っている
- DIYでコンパウンドを使う時は『超微粒子(仕上げ用)』で十分
- 今のコンパウンドの主流は水性の自己粉砕型コンパウンド
- 爪で引っかかるようなキズはコンパウンドでは除去できる可能性は低い
- DIYでは黒と新車は注意
- 濃色車には手磨きはオススメしない
- 最近の国産車には水性のコンパウンドが合わなくなってきている(TW主観)
- 各メーカーが色々試行錯誤している
コンパウンドは磨き傷の深さを決める大事な要素です。
なのでいきなり荒いのを使うのはやめましょう。仕上げ用のコンパウンドから始めるのが重要なポイント。
これを徹底するのがオススメですよ^^
ぜひ参考にしてみてください♪