今回はコーティングの役割とは何か?を記事にしています。
コーティングの売り文句で、5年保証、キレイが長持ち、ボディが良い状態が続く、汚れづらい等ありますが実際はどうなのでしょう?
そもそもコーティングの役割とは?なんでしょうか?犠牲皮膜を作りキズや紫外線をコーティングが受け止めてくれる事?
一般的なコーティングのイメージ像と実際のコーティングを説明してくと同時に、少しでもコーティングが想像つきやすいように色々と例えてみたいと思います 笑
コーティングの種類
上記でも少し触れましたが、一般的なコーティングのイメージとしては、コーティングは高級品でコーティングをする事で、ボディがずっとピカピカのイメージがあると思います。
実際にメーカーで、研磨が必要ないくらいに高性能なコーティングと謳っているところもあるくらいですし、コーティングでキズが消えるとも言ってしまっています…
ここで簡単にコーティングの種類を説明。
ガラスコーティング
いわゆる高級コーティングに当てられている。ガラスは耐候性が良い為、ガラスと同じ成分等が使われる事からガラスコーティングと呼ばれる。(コーティングが劣化しにくいイメージで良いかも)決してガラスみたいに硬いとか、100%ガラスと同じ成分で作られてる訳ではない。
硬化系と呼ばれたりしますね。
施工は基本的に難易度高め。
施工ミスしてムラになってしまうと研磨しないと除去できないことも多々あります。
無溶剤と呼ばれるものでも、塗装によってはダメージを入れることがある。
プロショップと言えばガラスコーティングというイメージは強いです。
ガラス系コーティング
色々と解釈はあるが、基本的にガラスコーティングの簡易系と思ってもらえば良いかと。ここで言う簡易とはお手軽スプレータイプです。
ショップの中では本物のガラスを使っているコーティングがガラスコーティングで、そうじゃないのがガラス系と宣伝しているお店もありますが、基本的には簡易系のコーティングやベースコートの上に施工するオーバーコーティングで使われる事が多いです。
施工の難易度もイージーであることが多く、DIYユーザーでも気軽にコーティングを体感できるコーティング。
単体でも十分な性能を持つ製品も多いですね♪
ポリマー系コーティング
業界では安いコーティングにあたります。WAX系のコーティング、オイリー的な感じですね。
あとは樹脂ベース等のコーティングと言われてますね。弱い塗装には必需品。
あくまで良く言われている一例でしかありませんが、ポリマーコーティングは【安い】【耐久性はあまりない】【艶はそこそこある】みたいなことを良く言われていますよね。
しかし、ポリマーよりガラスコーティングの方がいいみたいな流れはナンセンス。
一時期はコーティングの販売戦略によって松竹梅の『梅』みたいな扱いでしたが、そもそも比べること自体が不毛な話です。
ある弱い塗装にガラスコーティングを施工すると塗装にダメージを入れるリスクがあるときに、そのままガラスコーティングを施工して塗装にダメージを入れますか?それともポリマーコーティングで美しい塗装を維持しますか?という話ですね。
どのコーティングが最高か?ではなく、この塗装にはどのコーティングが合うか?と考えると良いですね♪
一般的なコーティングのイメージ
コーティングのイメージって非常に厄介で、一般的なイメージで言うとコーティングって大きな膜を形成されるイメージを持っている人が多いと思います。
恐らく一般的なコーティングのイメージはこんな感じ?
恐らくこんなイメージですよね〜。それでよく聞くのが、コーティングをしてれば『キズ』『シミ』がつかない
キズだらけやシミだらけになっていても『コーティングしていたから、この程度で済んだんだ』とよく聞きます。
キズに対してのコーティングのイメージはこんな感じかな?
コーティング層がキズを代わりに受けてくれる犠牲皮膜みたいな表現をよく見かけるイメージ。
そしてWAXは厚みのある層は作れないけど、ガラスコーティングは層が厚い為キズ入りにくく、塗装に入っているキズを埋めてくれるイメージが私の周りでは多いです。
最近では、ここまでは言わない業者も増えてきたけど、一般的なコーティングイメージはこうですよね。
そんな背景もありコーティングは高性能なんだよと謳っているお店が多いです。
残念ですが、本当にそう信じている作業者も少なからずいます 汗
2021年では、そう言うことを言うプロも減ってきましたが、まだまだこう言う謳い文句は多いですね。
冷静になってコーティングを考えてみよう
一般的なコーティングイメージは上記のような感じですね。
最高、最強、宇宙、ダイヤ、クリスタルなどパワーワードを気にせず、このコーティングをすることで、云々カンヌンの話も気にしないで、普通に考えてみてください。
コーティングは層になるのか?
基本的にコーティングは塗り込み後、必ず拭き取ります。
拭き取ると言うことは、余分な液剤を全てなくすと言う事。
と言うことは塗装表面に薄く付いているだけの残留成分でしかありません。
余分な液剤が残っているとムラになります。例えばフライパンに油をしいて、多く入れすぎたら拭き取りますよね?
それが層になっていると感じますか?コーティングの厚みは0.001㎜と言われています。それは果たして層ですかね?
コーティングが代わりにキズを受けてくれるのか?
上記でも触れましたが、1μ(0.001㎜)しかない層に代わりにキズを受けてくれるでしょうか?素手にハンドクリームをしても手にキズは入りますよね?コーティングだろうが、ハンドクリームだろうが基本的に理屈は同じです。
キズはコーティングも貫通するし、紫外線も普通に通ります。ボディをスベスベにすることで洗車キズの軽減に繋がる事はありますが、それはコーティングに何を求めるかで大きく変わるので一概には言えません。
紫外線に関しては塗装の中に紫外線吸収剤やらカットする性能がありますので基本的にコーティングの性能よりも塗料の質で大きく変わるかな?
詳しくは洗車を極めるには塗装を知ることがおすすめ!塗装を知ることで洗車・コーティング・車磨きのクオリティーアップをご覧ください。
キズは埋まるのか?
浅いキズのみ一時的には埋まります。
コーティングは基本的に艶が出るのでその艶によってある程度は隠蔽されて綺麗に見えます。
艶が引いた時にはキズが見えてしまい元どおりですね。そもそもコーティング層に厚みがあるのなら、どんなにキズだらけでもキズが見えないようにならないとおかしいです。
このレベルのキズが見えなくなれば、いいんですがね 笑
ここまでキズ、塗装内部のシミがあると研磨をしないと改善できないレベル。何を根拠に研磨が必要ないくらいのコーティング性能なのか謎です…。
例えばボサボサの髪に整髪剤をつけたところで、誤魔化せるくらいでキレイにはなりません。
髪をカットしてキレイな髪に整髪剤をつけたらキレイになりますよね。
コーティングも一緒で、あくまでも塗装状態次第で大きく変わります。
整髪料(コーティング)が落ちたら髪の毛はボサボサ(キズだらけ)に戻るだけです。
普通に考えてみてどうでした?
私は普通に考えると、その塗装に対してのプラスアルファでしかない。
撥水が長く続く事は保管状況が良くない限り、かなり難しい。コーティングの撥水はあくまでも初期の事柄でしかない
あまりに酷い汚れが降り注いでいれば簡単に撥水しなくなります。
その程度の性能しかないのです。
- コーティングは層にならない、キズも代わりに受けない。
- キズは一時的に埋まるが、永続的にキズを隠蔽するわけではない。
- コーティングの厚みは0.001mm程度で、できる事はたかが知れている。
コーティングは美容業界に似ている?
私としてはコーティング業界とは美容業界とかなり似ていると思っています。
先ほども少し触れた髪の毛で例えてみたいと思います。
- 髪を切る⇨塗装をキレイにする、研磨してキズを消す、リセットする。
- 整髪剤をつける、髪、癖、髪型などから種類を選択する⇨塗装にあったコーティングをする。
- 髪を洗う、メンテナンスする⇨洗車する、汚れを除去するメンテナンス
- 自分で整髪剤をつける⇨自分で定期的に簡易系コーティングを行う
- 髪が伸びる、髪を切ってもらう⇨洗車傷が気になり磨いてもらう
基本的にこのサイクルになると思います。
このサイクルがある中で下地の状態が千差万別、下地が何よりも大事で、その人にあった商品を利用して、その人にあった作業方法を行う。その人にあったメンテナンスを行う。
この選択を間違えるとキレイにならない、最悪の場合は体に痒みやアレルギー症状を起きることがありますね。
私なんかで言えば髪の毛の本数が多く髪質も硬いので、整髪剤はワックスよりもジェルの方が合います。
コーティングで言えばガラスコーティングが出来ない塗装状態のクルマもあるので、そのクルマにあった磨き方、コーティングの選別、そのクルマに合ったメンテナンス方法を提案できないといけませんね。
コーティングとはなにか?身近なことで例えてみよう
さて今回の本題ですね 笑
先ほど髪に関してはワックスやジェルと言いましたが他のもどんどん例えて行きます。
クルマのカスタム⇨調子の良いエンジンにカスタムマフラーをつければ狙い通りの性能を引き出す事が可能です。でも調子の悪いエンジンにカスタムマフラーをつけると調子が悪くなることも多々ある=下地が特に悪い状態でコーティングをすると美観を著しく損なう事がある。塗装のボケ、ムラ、ギラツキの発生、これらはノーミスで作業をしていても防げない事がある。
寿司⇨寿司にとってのタレ ネタにはなり得ないけど、ネタにあった組み合わせがあります。穴子だったら甘ダレ、他のネタも塩で食べる場合もあれば複数の醤油を使い分けることもある。素材にあったタレを使うことで、素材の旨みを引き出す=コーティングは塗装を超えることはできないけど、その塗装にあったコーティングをチョイスすることで、塗装の美しさを引き出すことが目的
ラーメン⇨醤油ラーメン、味噌ラーメン、とんこつラーメン、塩ラーメンなど色々ありますが、どれが好きかは個人の好みです。=撥水を重視するのか、艶を重視するのか、肌触りを重視するのか、好みで使い分ける事が大事、どれが最高とかではない、どれが最高かは自分の主観でしかありません。
化粧品⇨肌の状態が大事、自分にとって合わない化粧品を使うと肌荒れを起こす。普段からのお手入れが大事。肌が強い人はある程度どの化粧品を使っても良い結果が出るが、肌が弱い人は自分に合う化粧品を使わないと悪い結果になることがある。=新車や塗装状態が良いクルマは、どのコーティングをしても良い結果になる事が多い。ただ塗装状態が悪いものは使うコーティング、ケミカルを間違うと現状より悪い状態になってしまう事がある。
アクセサリー⇨シンプルな服の組み合わせだと何か締まらなくても、アクセサリーをワンポイント入れる事でグッと締まってオシャレに見えます。=コーティングをする事で独特の艶が出てオーラが出ます。
こんな感じで例えてみました。理解しやすいのはありましたでしょうか?
コーティングは車にとっての化粧やオシャレ。今の塗装状態から、どのようにカッコよくなるか考えよう。
一番重要なのは塗装のメンテナンス
以前紹介させていただいた洗車を極めるには塗装を知ることが大事!
塗装は元々、ハイスペックなのでそれを活かすことを意識すると長くキレイを維持できると思います。
塗装状態が良ければ良いなりに悪ければ悪いなりにコーティングの効果は左右されます。
塗装状態によってはポリマー系の方が良い結果に繋がることも多い。
ガラスコーティング>ガラス系コーティング>ポリマー系コーティングとは言えない事も多々あるのでガラスコーティングだから高いというのは私にとって疑問です。
更に言えば、塗装にあったコーティングをしたとしても、メンテナンスは重要。
コーティングをする事で塗装がキレイになると言う考え方をしている人も多いですが、それは大きな間違い。
あくまで塗装のキレイは塗装に汚れがないことの方が大事です。例えて言うなら1週間髪の毛を洗わないでワックスをしても汚いですよね。
それだったらボサボサ頭でも髪の毛をキレイに洗った後の方がキレイに見えると思います。
クルマの美観も一緒です。
なので何よりも大事なのは塗装のメンテナンス。
そのクルマに対して何が美しさを引き出せるのか、美しさを維持できるか、その知識が大事ですね♪
キレイの維持をするには塗装を知って、塗装にあったコーティングとケミカルを使ったメンテナンスが重要。
まとめ コーティングはあくまでキレイに対するプラスα
今回はコーティングの役割を色々と例えて記載してみました。
コーティングの考え方は人それぞれですが、コーティングに色々と期待してしまうと『あれ!?』ってなってしまうことも多々あるので、あくまで塗装に対する軽いオシャレぐらいで考えると、下手な謳い文句に惑わされなくなるかも知れませんね。
以上、テールウォーカー@tailwalker020でした。