匠の技、職人の技と言われる車磨き。
難しいなどと言われることも多いですが、個人的にはそんなに難しいと思ったことはありません。
塗装状態によっては非常に難しいですけど、それなりのキレイであれば、難易度はかなり下がります。(プロでもそれなりの状態で仕上げていることも多い)
以前にポリッシャーの動きや粘土の使い方の記事もありますので、それも一緒に見ていただけるとスムーズに理解できると思います。
車磨きのときはボディをスッピン状態にします。
でもボディのスッピン状態ってなに?ってなりますよね。
一般的にはシャンプーと脱脂するだけでスッピン状態という所も多いですが、全然違います 笑
汚れを落としきってスッピン状態にする過程も紹介します!
磨き前にやること!ボディをスッピンに
今回、磨くのはアップガレージにてゲットした現行ハリアーのテールゲートスポイラーです。
安かったのでテスト用に購入^^
向かって右端の方でなんか様子がおかしいのは部分的に磨いたためです。
アップにするとこんな感じ
なかなかの汚れ具合^^;
そしたら早速、下準備♪
ボディを磨く前にまずはボディをスッピンにしていきます♪
まずはシャンプー
シャンプーで砂汚れやを含む軽度の汚れを除去します。
このときに落ちない汚れは無理に落とそうとしてムリに擦らないでくださいね^^
シャンプーで汚れを除去した後は粘土でボディのざらつきを除去。
粘土をかけるときは深いキズを入れないように気をつける。
ザラつきが除去できたら、次はスケール除去に入ります。
酸性ケミカル『REBOOT』を使ってスケール除去、ものすごく反応しています^^
酸性ケミカルを使用することで、無機の汚れ(アルカリ性の汚れ)をボディから除去。
次はアルカリ性のクリーナーにて油汚れ(酸性の汚れ)を除去します。
アルカリ性は塗装に対して基本的に攻撃性がありますが、クリーナータイプはキズは入りにくいものが多いので安心して使えます。
ちなみに油汚れと油分除去(脱脂)は違うので注意
同じ汚れでもクリーナーで落ちるのもあれば、シリコンオフじゃないと落ちないこともあります頭の隅にでも入れといてください^^
似ているけど微妙に違う汚れです^^;
そして最後にシリコンオフにて落ちなかった汚れと油分を除去します。
これでボディがスッピン状態です♪
最初のボディ状態と比べると…
Before
after
多少ですが汚れが落ちてキズが見やすくなっているのが分かるでしょうか?(塗装面がクリアになっている)
この汚れを落とさずに磨こうとすると、バフに汚れがつき余計な磨き傷を入れたり、汚れを落とすための磨きになってしまい、塗装面を磨くまでに時間がかかってしまいます^^;
このような手順で洗浄することでボディをスッピン状態にしてあげると作業効率もアップ。
明らかにスケールがいるのに酸性ケミカルが反応しないときは、先にクリーナーで油汚れを落としたあとに酸性ケミカルを使うと反応することもあります。
どのような汚れ方をしているか見極められると、適切なケミカルの使用でよりスムーズに除去できるようになるので、ひたすら経験を積むのみ^^ (TWも現在進行中)
基本的には『酸性ケミカル』『アルカリ系のクリーナー』『シリコンオフ』で除去できない場合に『粘土』を出してその付着物が取れるかを確認します。
『ボディをスッピンにするために!』の簡単なおさらいです♪
⒈ シャンプー洗車をする⇨基本的な砂汚れはここで落としきります。
⒉ 粘土をかけて付着物を除去する⇨鉄粉が多い場合は鉄粉除去剤を併用する。『付着物が少ない場合』は先にかける場合が多いです。『付着物が多い場合』はケミカルで落とせるものを落としてから粘土を使います。(一概には言えませんがTWは基本的にこの流れです)
⒊ 酸性ケミカルでスケール(雨染み、ウロコ)を除去⇨スケールの反応が悪いときは先にクリーナーで油汚れを落とすと効果的な場合もあります。
⒋ アルカリ性のクリーナーで油汚れを除去する⇨基本的にはスケール除去したあとに使用する。
⒌ シリコンオフにて脱脂する⇨同時に酸性、アルカリ性のケミカルで落ちない汚れを除去する。
2〜5は汚れ方により順不同で変わります。または繰り返し行うことがあります。
ここまでくればあとは磨くだけです♪
スッピンにしたあと磨いてみた
今回磨くのに使ったのは初心者用ポリッシャーで有名なRYOBIの『RSE-1250』のカスタムverを使用。コンパウンドとバフはGANBASS製をおすすめします。
コンパウンドの付け方は2種類ありまして、1つがバフにつける方法
バフがだいぶボロボロです 笑
基本的にはこの位置にコンパウンドをつけます。あまり端すぎるとポリッシャーを回した時に遠心力でコンパウンドが飛散するので注意!
真ん中すぎるとバフに均等にコンパウンドがいきわたらないので効率が多少悪くなるので、写真の位置辺りにつけるのがGOOD!
もう1つはボディにコンパウンドをつける方法(TWはこちらの方法で作業しています)
こんな感じでコンパウンドを被せたらスイッチON
1回のコンパウンドをつけて磨き範囲はポリッシャー30〜40cm四方ぐらいですかね。
あまり広げすぎると、コンパウンドの粒子がうまく使えず磨けないので注意
ある程度磨いていると、コンパウンドがキレてくるので、そこまではポリッシャーを回した方が良いです。
コンパウンドがキレるとは、磨くことでボディからコンパウンドがなくなっていく現象を言います。
あまりに早く磨くのをやめてしまうと研磨粒子が強い状態で磨くのをやめることになるので磨き傷が強く残ります。
磨く過程でコンパウンドが砕けたり、水分がなくなることで、研磨力が弱くなっていく。
しっかり磨ききっている状態では、研磨力が弱い状態でも磨いているので自然と仕上がりは良くなっていきます。
簡単に考えると磨き始めはコンパウンドの研磨力が強く、どんどん弱くなっていく
塗装面に残っているコンパウンドが多ければ多いほど研磨力は多いイメージで良いと思います。
初期研磨では磨ききることで、仕上げ研磨が容易になり
仕上げ研磨では、より高いレベルで仕上げることが可能になります。
磨いているときの研磨力が高いとき
まだコンパウンドの水分が残っているのが分かります。
ちなみに見やすくするとこんな感じ
これを磨いていくと
コンパウンドがどんどん切れていくとこんな感じでボディからなくなっていきます。同時に研磨力も下がっている状態。
ちなみに1回もクロスなどで拭き取っていません。
こんな感じでコンパウンドが残っている量で研磨力が変わってきているのが基本となります。
ウールバフで研磨した後に仕上げ用のウレタンバフで磨いた結果が↓に
Before
after
塗装面がクリアーになりましたね♪
こんな感じで磨いていきます^^
磨くときに注意するポイント
初心者が磨くときに注意するポイントが何個かあります。
最低でも日陰でやる⇨直射日光の下ではやらない。ボディに反射して眩しすぎて見えないので何をしてるか分からなくなります 笑
建物内で作業するのが理想ですが、最低でも日陰で作業した方がいいですね
基本的に加圧をしない⇨加圧をすることでキズを早く消せる傾向にあるのですが、1個間違えると深いキズをつけてしまい、リカバリーするのが大変になることも…
慣れるまでは基本的には加圧をしないで磨くのが安全です。慣れたら『加圧』『モーション』をすることで磨きの幅が広がります。
バフは汚れてきたら替える⇨磨いていく過程でバフに汚れ、コンパウンドが詰まって研磨効率が悪くなったり、ムダに磨き傷を入れてしまうリスクが高まるので定期的にバフを洗うか、交換する必要があります。
荒いコンパウンドは使わない⇨ポリッシャー研磨にて荒いコンパウンドを使うとリカバリーするのが大変になる可能性があるので荒いコンパウンドを使うのは最終手段にした方がいいと思います。
できればライトを当てて作業する⇨DIYでライトを当てるのは難しいかもしれませんが、可能であれば、ライトを当ててキズが見える状態で研磨することで、クオリティのアップが見込めます。
しかしクオリティアップを求めると時間もかかるので、こだわる方はライトを当てて作業することをおすすめします。
新車やキズがあまり目立たないクルマに対しては車磨きはおすすめしません。
キズが少ない塗装に対して磨くことで、洗車傷よりも磨き傷の方が目立つ可能性があります。磨いたことで逆に美観を損ねてしまうことも…
特に新車の黒ソリッドは下手に磨くことで磨き傷が目立つので特に注意が必要です。
ちなみに新車で特有のくすみがありますが、黒以外であれば『ダブルアクション』+『ウールバフ(初期研磨用)』で艶が増すことが多い.
仕上げのウレタンバフを使わなくても仕上がってるように見えます。もちろんウレタンバフを入れた方がよりキレイに見えます。
プロ施工店でも新車時に磨くところは多いですし、キレイになることもありますが…
長い目で見るとTW的には新車で磨くのはおすすめしない派です。色々ありますがムダに難易度が高くなるのでおすすめしません^^;
後日、別記事にて紹介しますね^^
磨くときのまとめ
塗装の汚れに対して、『ケミカル』『粘土』を駆使してボディをスッピン状態にします。
磨くときは『日陰』『力を入れない』『バフが汚れたら交換』『荒いコンパウンドは使わない』『できればライトを当てながら磨く』
基本的に上記の内容を守ればそれなりに仕上がると思います^^
少なくともキズだらけの車を磨いたら磨きキズが残っていても、驚くほどキレイになって満足できるとかと^^
こだわる方はプラスαが必要になってきて、こだわった先に感動するキレイが待っています♪
ぜひ磨きにチャレンジしてみて感動を味わってみませんか?