最近の新車はすごいデリケートになってきています。
原因としては
- 油性塗料から水性塗料に変わったことによる性能低下
- コストを下げるために塗装を焼く時間を短くして、『甘焼き』『生乾き』状態。ソリッド系は特にその傾向が強い
特にトヨタ202(黒)自己修復塗装はゲンナリしてしまいます^^;
黒でなければ、難易度はだいぶ下がりますが、繊細な塗装であることには変わりありませんので慎重に触ることが大切。
『新車』の状態の塗装が非常に難しい。
コーティングも施工難易度が上がるイメージです。塗装が非常に影響を受けやすいのでコーティングも微妙に塗装に絡んで完全に拭き取れなくギラつきが発生しやすい。
年々、塗装の質が下がってきているように感じる『新車の塗装』
美観的には、キレイになっていっていることも多いですが、塗装の強度、品質に疑問を覚えます^^;
これからはそういう塗装に向き合っていかないといけないので試行錯誤していかないといけません。
今回は新車に対する『研磨』『コーティング』の考え方を紹介していきます。
新車時の研磨、コーティングの考え方
私の本音としては塗装が『生乾きすぎてコンパウンドが使えない状態なので誤魔化すしかムリっ!』いわゆる『樹脂系』『ポリマー』と呼ばれるもので埋めて仕上げるしかないというのが正直な所。
酷いときだと本来、塗装に絡みにくいと言われるポリマーですら絡むときがあるので難易度MAXです。
黒のソリッド(パールやメタリックが入ってない)は本当に難しいです^^;
他の濃色車はなんとかなるんですけどね〜
基本的に新車やキズがあまり目立たないクルマに対しては車磨きするのはおすすめしません。
『仕上げバフ』『仕上げ用コンパウンド』で磨いているからと言っても、確認しないで研磨すると、磨き傷がバンバン入ってしまうこともあります。
キズが少ない塗装に対しては磨くことで、洗車傷よりも磨き傷の方が目立つこともあります。磨いたことで逆に美観を損ねてしまうことも…
黒ソリッド以外にも赤のソリッドも下手に磨くことで磨き傷が目立つので特に注意が必要です。
ダブルアクションを使うことで出来るだけ磨き傷を見えにくくすることができますので、ダブルアクションは必須。
ちなみに新車で特有のくすみがありますが、黒ソリッド以外であれば『ダブルアクション』+『ウールバフ(初期研磨用)』でも艶が増します。正直、仕上げ研磨をしなくても良いぐらい。
仕上げ研磨を行うことで更に良くなります♪
プロ施工店でも新車時に磨くところは多いですし、キレイになることもありますが
個人的には新車で磨くのはおすすめしない派です。
確かに艶はでます。
新車時は塗装が生乾きの状態で安定しておらず、塗装としても性能は低い状態のままです。
なので新車時はキズ、シミがつきやすい状態。
ちなみにコーティングをして1週間外に置いといたテストパネルが
シミだらけ 笑
テストパネルに施工したコーティングは防汚性が高く1週間ではシミがつきにくいのですが、結果は写真の通り^^;
ちなみにTWの愛車はこのようなシミはついていません。
スケールは軽度につくこともありますけど、今回は結構エグ目に付着していたので、ケミカルで除去するにも時間がかかりました。
- 多少の雨でエグいシミがつく
- 202はもともと塗装が柔らかいと言われており、新車の生乾き状態
- 普通の安定した塗装は1週間、なんの問題もなかった
上記の3点から考察すると
新車の塗装状態は『ぬかるんだグラウンド』のような状態であることが考えられます。
『ぬかるんだグラウンド』で歩いたら足跡はわかりやすくつきます。深い足跡がつきますね
しかし安定した塗装=『乾いたグラウンド』は足跡がほとんどわかりません。足跡がついても目立たないレベル。
塗装が生乾きの新車塗装=『ぬかるんだグラウンド』足跡がつきやすい、深い足跡がつく=塗装に対してキズもシミもつきやすい、深い足跡=塗装自体がシミで陥没しやすい
磨こうとしても、ぬかるんだグラウンドを乾いたグラウンドと一緒の状態にしようとするのが難しいのと一緒で、磨きも難易度が上がります。
なのでそれを簡単にするのは乾いた状態になるまで、出来るだけキズとシミをつけないように心がけるしかありません。
ちなみに私の愛車とテストパネルは一緒のコーティング剤を使っているので同じ結果にならないとおかしいのですが、明らかにシミのつきやすさが違います。
結果、コーティングは塗装に依存しているのが分かります。
上記の結果から、塗装が安定するまでは出来るだけ研磨はしない方が、後々の塗装のためにもいいですね♪
ちなみに新車時から磨くと
その塗装状態を磨く(塗装は減る)新車時は磨きの難易度も高い。『磨き』『コーティング』で艶がよりひき出される
↓
コーティングしたところで塗装に依存するので、『キズ』『シミ』はつきやすいまま
↓
キズが多くなるので、また磨きたくなる。2回磨くことになるので膜厚はより減る方向性
また新車時に磨くことで、より塗装は減る方向にいき、塗装強度を下げる大きな原因になっています。
新車時は塗装に溶剤が多く入っているので、塗装が膨張状態になります。
その状態で磨くことにより、塗装から溶剤が抜けて、締まった安定した塗装よりも磨いてしまうことに繋がります。
例えばですけど膨張時の塗装が『120』、締まっている安定した塗装が『100』だとします。
新車時の膨張した塗装から『10』を研磨したら『110』になりますよね。
しかし塗装が安定した状態にこの数値を入れ替えると、塗装が『120⇨100』
研磨した量が『10⇨12』
そうなると塗装が残り『88』になります。
安定した塗装から磨くと『100』から『90』になります。これはもう変わりません。(正確には多少変わりますが新車の時ほどではない)
微々たるものですが、この微妙な差が後々のキレイを維持することに差が出てくると思っています。
新車時に磨いてしまうことでホーロー層とよばれる塗装の旨味がある部分を無くしてしまうこともありますのでそれは後日、別記事にて紹介します。
今のキレイを求める技術、知識も必要とは思いますが、長い期間でキレイを求めることも必要と考えます。
膜厚を残すことで、あとあと磨ける量(磨きでリカバリーできる状態)を残しておくのが大事と考えます。
なのでTWの考えとしては
新車時はメーカーで磨いた痕跡の修正研磨のみ(磨く必要がないと判断すれば磨かない)でコーティングを行う
↓
コーティングでチューンされた塗装を楽しむ。でも『キズ』『シミ』はつきやすいので、塗装が安定するまではコーティングと細かいメンテナンスで汚れを蓄積せず誤魔化す。
↓
キズが増えてきて、磨きたいと思ったときには塗装が安定して磨きやすいし、塗装も1回しか磨いていないので、塗装を膜厚を残せる方向性
こんな感じですね♪
新車時の特有のクスミがあると言っても十分キレイ^^
遅かれ早かれ磨くなら、新車時にしかない塗装を楽しむほうが面白い♪
なので新車時のコーティングはキレイにすると同時に塗装が安定するまでに、少しでも塗装をキレイに保ちやすくするための手段でしかありません。
なので新車時は基本的に研磨したくないです^^;
新車時に『ギアのポリッシャー』+『ウールバフ』+『コンパウンドなし』でもキズが消えますからね 笑
初期研磨はキズが驚くぐらい消えますが、仕上げ研磨の難易度が高すぎます。
Before
after
パッと見た感じだとキズもなく仕上がっているように見えますが、コンパウンドの微量な油分がなくなると
こんな感じで磨き目が出てきます。上記の写真はダブルのウール目です。(仕上げの研磨の磨き目がうまく撮れませんでしたので代用です)
このような塗装の時に樹脂系のコーティング剤でマシンポリッシュすることにより誤魔化します。
このような塗装もあるので部分的にテスト磨きをして自分の技術で無理そうだと思ったら
上記みたいな商品で一発仕上げで磨いた方が良い結果になることもあります。
新車時のコーティングと研磨は簡単に思う人もいますが年々、難易度が上がってきているので常に知識をインプットして試行錯誤していかないといけませんね^^